小梅です。今日は珍しく台湾高山茶の、それも梨山茶というお店で扱っていないお茶の試飲からスタートです。
いわゆる「高山茶」と呼ばれる台湾茶の中でも、特に稀少で高価な事で知られている梨山茶。梨山の標高2,000メートル近く、あるいはそれ以上の高地で採れるお茶です。高価なので缶に大事そうに入っています。
最近の、特にブランド高山茶の傾向として焙煎がどんどん弱くなり、青々しさや軽さが珍重される傾向があります。その為、葉の日持ちが短く、また保管にも気を細心の注意を払う必要があります。台中縣和平郷に集中するブランド茶「梨山」「大禹嶺」「福寿山」などは特に浅く若々しいものが好まれる為、この傾向はいっそう顕著です。『それだけ貴重なお茶なんですよ』というところを判りやすく見せようという事ももちろんありますが。
茶葉は意外と黒ががっています。もっと薄い、新緑のような緑色を想像してしまいがちですが。グレードの良いものほどツヤがある、というのが一つの判断基準ですがその点ではじゅうぶん条件を満たしているように思われます。お湯に入れる前の茶葉の状態から甘く、でも強すぎないお茶の香りがしてきます。「飲むのが楽しみになる」香りだと思います。
決して薄くなく、でも淡い茶水の色です。頼りなげに見えるのですが、口に含むと清らかで上品な味とかなりはっきりと主張する香り。劉さんの凍頂烏龍茶と較べると少し線の細い、神経質そうな味と香りですが、そのぶんフレッシュさが際だちます。どちらがどう、という優劣ではなく、これはもう両者の長所の違いといかいいようがありません。
勉強用に分けていただいたのですが、かなり高かったです。梨山茶は有名ブランド茶の宿命でグレードにかなり幅があります。はっきり言ってしまうと「ええ、これが!?」と首をかしげるような出来のものもあります。このお茶はかなり良い出来だと思いますし、値段も(とても高いのですが)価値に見合った物だとは思います。