小梅です。早いもので連休も最終日になりました。
「じゃくぜつ」武夷山で祝先生から分けていただいたお茶です。
「雀舌」というのはいわゆる武夷岩茶の正叢種ではなく、もともとは武夷山以外から持ち込まれ、それが武夷山で繁殖した「外来種」というか、新種の岩茶です。
雀舌の名が付くお茶は他にもあって黄山雀舌茶(緑茶)、雀舌香片(ジャスミン)、韓国には「サッソル」と発音する雀舌茶(緑茶)があります。どれも全く同じもの、という事はありません。
雀舌、という名前の由来もそれぞれ諸説あります。1)葉が雀の舌のようによじれているから 2)製茶した後の茶葉の形と大きさが雀の舌に似ているから 3)雀の舌ぐらいの大きさ(小さい)状態で葉を摘むから 4)葉が雀の舌のような縞模様だから ざっと挙げるとこんな感じです。 私が武夷山で説明を受けた由来は1)でした。 雀の舌って、見た事ありますか? 私は見た事が無いのでどの説明ももう一つうなずけません。 葉を見ると、確かに一般的な岩茶の葉よりも外周がくびれていて、中央の葉脈に沿って中央が窪んでいます。雀の、かどうかは別にしてもなんだか舌に似ています。
こちらは肉桂の葉です。いかにも茶葉、というオーソドックスな形状と大きさです。これが水仙になると、もうちょっと大きく、葉の回りのギザギザが鋭くなります。
出来上がった茶葉の比較です。
左が肉桂、右が雀舌です。 似たような焙煎の度合いなので雀舌のほうがもとの葉が小さいのがわかります。よじれかたも右のほうが顕著なように見えますが、どちらにせよ出来上がった岩茶はよじれてはいますので。。。
味は、というとこれはもう「美味しい」の一言です。 味の特徴が違うので、肉桂が好きな方には少しあっさり目に感じるかもしれません。 でも、あっさりした口当たりなのに、上品な香りと甘みがとても長続きするのです。煎を重ねても衰えない、余韻の長いお茶だと思います。 強い岩韵やどっしりとした味わいが珍重される傾向にある岩茶の世界においては、少し毛色の違うお茶かな、とも思いますが、やはり美味しいものは美味しいです。
残念ながら祝先生のところはあまり収穫量が多くない上に高価な茶葉です。今年の分はお客さん(=バイヤー。私はみそっかすですが)みんなで取り合いになり、結果「じゃあこれは味見用にしよう」という祝先生のはからいで「山分け」しました。取り合いに参加しなかった私が思わぬお裾分けになりました。