こんにちは、小梅です。
とても暑い日曜日になりました。外は歩いている人もまばらですし、みなさん日陰を探すようにして足早に歩いています。 「今日の天気は台風の日と同じ」と番頭さんは言います。雨と風がないだけで、猛暑も外が危険という意味では同じかもしれません。
そんな天気なので、暑気払いに熱いお茶を淹れて飲む事にしましょう。折角なので評茶を兼ねてお茶の時間にする事にしました。 2種類の茶葉ともに武夷岩茶の「金観音」です。右は今年5月に摘んだ新茶で、左はお客様の一人にいただいた勉強用です。 右のほうが茶葉ひとつひとつが大きく、緑が淡いのがわかります。右は私が考えてかなり軽めに仕上げてもらうように注文したのでこのような大ぶりで葉っぱっぽい仕上がりなのです。
下が私の新茶です。茶水の色を見ても、茶葉を見てもそうですが、味もそのままの違いです。
金観音の持ち味は金木犀のような清冽な香りと強い甘みです。その特徴をより楽しむには青臭くならないギリギリの軽さで仕上げたほうが良い、と感じたので私は軽焙煎よりもさらに軽い焙煎で止めてもらいました。物足りなかったり青さが気になった時には茶荘の焙煎籠で少し熱を入れる予定でしたが、今のところほんの少し乾かす程度に熱を加えるだけで十分仕上がっています。
金観音をお入れすると、よくお客様に「夏らしい味」と言われます。香りも甘みも強いのに、決して強すぎない「さっぱりとした」感じが好まれるのだと思います。黄観音もこれに近い特徴ですが、もう少し「お茶っぽさ」がはっきりとしています。金観音はより「花っぽさ」があるお茶なのだと思います。 軽いお茶なので100℃より少しだけ低い湯温で10秒ぐらい、ささっと出すのが美味しくお飲みいただけます。
試飲の準備が整った時にお客様がお見えになりました。丁度良いタイミングなので評茶をお付き合いいただきました。折角なので金観音と奇蘭を飲み比べする事に。奇蘭はお店には並んでいません。良いものがほんの少ししか手に入らなかったので、お店の奥にしまってあります。
お客様を交えた試飲での感想は奇蘭はライチを思わせるフレッシュですっきりとした爽やかな味。少しだけ酸味があるので余計に爽やかさが際だつのかもしれません。 金観音はそれよりも香りの華やかさが際だつ感じ。 交互に飲み進めましたが、どちらも夏の強い陽射しによく似合うお茶だと思います。
もちろん、暑い日中を歩いてこられた方に嬉しい水出しのお茶も冷やしております。冷たいお茶で喉を潤して体温を下げてからゆっくり熱いお茶を味わう。こんな楽しみ方が出来るのですから、この暑さも悪い事ばかりではないですね。
今日は4時に閉店いたします。しっかり食べて体力をつけないといけないので、ビーフン・干豆腐・白菜・葱を使って辣醤、にんにくと甘酢を利かせた中華風サラダを作ろうと思います。
皆さんも良い日曜日をお過ごしください。