「そーめいありますか?」
この時期になると↑のお問い合わせが増えます。
「そーめい」は漢字で書くと「寿眉」です。もっとも、普通語(マンダリン)ではそういう発音にはならないようです。広東語、ですね。茶荘にお越しのお客様から「そーめい」と「ぼーれい」(これはプーアール茶の事です)という単語が出た場合、番頭は「ははあ、香港系のお客様だな」と判断します。
ちなみに↑の写真の「そーめい」は一般的な寿眉ではなく、陳寿眉というちょいと年数の経ったものです。
寿眉は「白茶」に分類されます。体のほてりを冷まし、悪い毒を落とすとされる白茶は高温多湿な夏が長い中国沿海部で好んで飲まれます。寿眉はその中でもいわば日本茶における「番茶」のようなお手軽な存在です。画像の「白牡丹」やさらに高価な「白毫銀針」と較べてかなり安いので、夏にご飯食べながらゴクゴク飲むのに適しています。
白茶は、発酵茶のプロセスの一番始めのほう、「萎凋」という葉をしなっとさせる所で火を入れて作られます。極めて低い発酵度の為「弱発酵茶」と呼ばれます。福建省の福鼎付近が産地として有名です。とはいえ、黄茶同様、あまりメジャーなお茶ではありません。
・・・てな事を書こうと思って、朝チャイナの2杯目に白牡丹を選びました。白毫銀針にしようかなと思ったのですが、小梅さんのストック棚の銀針が少なかったので、量に余裕がある白牡丹にしました。
最初のほうで書きましたが、白茶は体の熱を冷ますお茶なので、蒸し暑い日に好んで飲まれます。言い換えれば、暑い日が似合うお茶、なんですね。今朝みたいな肌寒いを通り越して風が思い切り冷たい時に飲むお茶ではないんですよ。
加えて、番頭は発酵の弱いお茶があまり得意ではないです。台湾の文山包種もそうなんですが、何か胃腸との相性がよろしくないみたいでして。体調次第では胃が痛くなったり胸焼けしたりもします。
「ブログのネタにしよう」などというスケベ心で飲むお茶を選んではいけませんね。
今朝のお茶は1)宜興工夫紅茶 2)白牡丹 3)正岩水仙 4)木柵鉄観音… 順番滅茶苦茶です。あらためて書き出したら、ホントにひどいすこれ。
一つ一つは粒ぞろいなんですけど、調和が取れていないつうか、起承転結になってません。
料理は全部美味しいけど、デザートがいきなり出て、その後メイン、サラダ、前菜…って出てくるコースみたいなものでしょうか。 深く反省しつつ、水仙と鉄観音はしっかり最後まで淹れて飲みました。
朝チャイナもブログもね、確かに大切なんだろうけど、お茶淹れる時には美味しいお茶を美味しく淹れて飲む。基本というか、常識なんですね、これが。で、常識をわきまえない人の事を何と言うかというと。。。
ば・ん・と・う