ハッピーマンデー!月曜大好き番頭でっす。
小梅さんが自分の持ち込み企画の仕込みにとっかかってるんで、今日は番頭が茶壺について語ります。。。大丈夫ですか?
茶壺には色々な名前があります。多くは伝統的な形を継承しているので、昔っからある名前です。「これこれこういう形状でこういう特徴のものは、こんな名前ですよ」というパターンがある程度出来てるんですな。で、その定義を守りながら、少し個性を出してみたり、反対に定義通りに作ったり…。このあたり古典落語に似てます。
上の画像の茶壺は「天圓地方」といいます。最初「なんのこっちゃ?」でしたが、よくよく茶壺を眺めていて合点が行きました。蓋が丸く(天円)て底が四角(地方)という、形の特徴がそのまんま名前になってます。こういうのは覚えやすくて楽です。
この茶壺は笑桜、という名前がついてます。「笑う桜」???意味由来が全くわかりません。
周さんの作品です。大きさは約230ccです。
この笑桜という名前、もちろん周さんのオリジナルでも登録商標でもありません。
他の作家さんの茶壺でもこの形状は「笑桜」という名前がついていました。
その昔、茶壺を形状ごとにカテゴライズした陳曼生って人の「曼生壺式38種」ってのにはこの笑桜は載ってません。ただ、顧景舟(名作陶家さんです)さんの作品にこの笑桜があるそうなんで、けっこう昔っから存在しているんでしょう。
二つの茶壺には形状はディテールに共通点があります。どうもそれらが【笑桜壺】である為の条件みたいです。
タマネギ頭。このデザインの為、てっぺんにあるべき穴はタマネギの付け根部分に横向きに開いてます。
持つ部分(把)にはこういう返しがついてます。
一番の特徴はここです。 他の作家さんの作品を見ると、ここがもうちょっと細く絞ってあり、かつラインがシャープなものが多いです。周さんの作る茶壺は全体的にここが少しふくよかで、鋭さよりも柔らかさを強調しているように感じられます。
曲線の調和がうまくとれているな、というのがビジュアル面での番頭の感想です。使い勝手では把の返しと、蓋のてっぺんに穴が無いという両方の点で茶壺を使い慣れていない方にもおすすめできます。
それにしても何で笑桜、って名前なんでしょうね。故事とかそういうんでしょうか。夏休みの自由研究のテーマにしても面白いかな、などと。
小梅さんは一所懸命茶葉に魔法をかけてます。