番頭でっす。な〜んかいい感じの休日でございますなあ。
さて、皆さんはお手元の茶葉をどうやって保管されてますか?
中には、お茶部屋を一つ作って完全空調管理の下、大きな茶箱にて保存しておりますのよおほお、という剛毅な方もいらっしゃるかと思いますが(思うかあ?)、まあ普通は色々買ってはみたものの、さあてどこにどうやってしまいましょうか、というのはお茶好きの方には共通の悩みだと思います。
こういう茶筒、あるいはキャニスターに入れておく、というのが一つのポピュラーな方法でございましょう。
ざっくり書いてしまうと、茶葉の保存方法は、茶葉の特性によって二つだと思います。 1)今の状態を出来るだけ長くキープして劣化を防ぐ 2)適切に熟成させる(寝かせる)事によってより美味しくする …って感じに。
1)は茶葉に限らず、食品全般でより一般的な保存です。ま、当たり前っちゃそうですが。
2)は所謂「発酵」を促す事で美味しくなる食品に使われます。
「ぬか漬け」がそうですが、1)のように「出来るだけ胡瓜や大根を米糠が発酵させないように保存しましょう」ってやっちゃうと、いつまでたってもご飯のお供になりません。
お茶でいうと、お馴染みプーアール茶が2)のカテゴリです。ゆっくりと時間をかけて味が柔らかくなるプーアール茶は1)の方法では呼吸しなくなるんで育ちません。
画像のような茶筒の場合、プーアールを入れるのであれば紫砂陶器で出来たものがベターです。餅茶を崩して陶器の筒に入れる事で、茶葉の保湿を出来るだけ一定にする為と、茶葉に最低限の呼吸をさせてあげる為です。素焼きの陶器は、器そのものが周囲が高湿の時には吸湿して、反対に感想している時に溜め込んだ湿度を放出するのでその分茶葉が安定した状態で育ちます。
反対に焙煎していないお茶や発酵の浅いお茶は出来るだけ外気や日光を遮断して現状維持に努めます。1)のケースですね。 この場合は陶器の茶筒よりも密閉性の高い容器や袋が適しています。
例えば無焙煎の凍頂烏龍茶や西湖龍井などの緑茶はこういうチャック付きのアルミ蒸着した袋でしっかり封すれば大丈夫です。中に脱酸素剤(エージレスとかそういう小さい袋入りのものです)を一個放り込んでおけばベターです。光も遮断したほうが良いので遮光性の高い袋がいいですね。
台湾の高山茶や清香型の安渓鉄観音等は密閉した上で更に冷蔵庫に入れておいたほうが良いものもあります。 ここまでくるとですね「早く飲んじゃって下さいね」とした言いようがないです。
同じ烏龍茶グループでも、岩茶のように発酵が強めで、かつ火入れのしっかりしたものは開封しても袋の口をクリップで留めておけば大丈夫っす。
大抵の場合、販売しているお店が中身の茶葉の保存に適した袋なり缶なりに入れて売ってますんで、その袋を使えばいいんですが、気になる時とかは保存の方法や風味が落ちない期間等々をお店の方に聞いていただければよろしいか、と。
茶筒、これはこれでけっこう場所を取りますんで、とっておきのお茶は茶筒、普段使いのお茶は袋…って感じに使い分ればじゅうぶんです。