こんにちは、小梅です。
仲良くお付き合いいただいている宜興の作家さん、楊琴さんの茶壺です。今回の広州の展示会に出品されていたもので、ご同行いただいた方が買われたものです。お許しをいただいたので写真を撮って掲載いたします。
曲影壺、という名前です。写真の色では明るく出ていますが、朱泥ではなく清水泥です。波模様の把がいかにも女性作家さんらしい柔らかい曲線で作られています。全体的に丸みのある可愛らしい形をしていますが、一番の特徴は非対称形である事です。
正面からみて、中央に縦の線を引いてみると、前半分と後ろ半分の形が対称になっていません。普通に作った茶壺が急にブレーキをかけたらこんな風になるかな、というような、やや前のめりの平行四辺形のような横顔です。
縦方向を見ても前と後ろが対称になりません。円というよりすこし洋梨に近いかもしれません。
土も申し分ない良いものですし、何より細部にわたって丁寧に作ってある、力作と言って良い茶壺だと思います。売れる前に先に自分で買えば良かった…と後悔しています。
かなりおおぶりな茶壺ですが、こういう意匠の茶壺はやはりある程度の大きさが無いと特徴を活かしきれないようです。気になる大きさではなく、ダイナミックにデザインが表現出来る大きさだと思います。
見事な茶壺です。
使い甲斐があるだろうな、と帰国してからあらためて羨ましく拝見しました。
もう一つ楊さんにお願いして作ってもらって茶荘に置きたいな、と思います。