茶壺2題。
左が「天際星雲」右が「新際天雲」です。光のかげんで少し違ってみえますが、どちらも同じ色見の紫泥で作られています。
大ぶりでより直線的な天際星雲と、平べったくて愛嬌のある新際天雲。どちらもフォルムは至ってオーソドックス、嫌みの無いデザインです。
目を引くのはこの黄色いポツポツ。このポツポツが「星雲」であり、「天雲」です。
不規則にポツリポツリと配されている金色が「星」を表現しています。星はペイントではなく、一つ一つ、違う種類の土(この場合は段泥)を埋め込んであります。打ち込み、ですね。
天際星雲では胴回りと蓋に、新際天雲では縁の部分にこの打ち込んだ星々が瞬いていて、良いアクセントになっています。華美ではなく、控え目ですがともすれば大人しい全体のフォルムを引き立てています。
どちらも楊さんの作品。直線と曲線の組み合わせ方や、小さい段差を作ってフォルムを引き締める、楊さんらしさのよく出た作品だと思います。