苦しくったって悲しくったて、茶盤の前では平気なの。
どうも番頭ナンバーワンです。
昨日一昨日のセールはお陰さまで大盛況でした。かねがね「忙殺」ってすごい言葉だよなあ、と思っとりましたが、あの程度でじゅうぶんつらいんですから、死ぬほど忙しいってどんな状態なんでしょうか。知りたいですが、身を以てはイヤですね。
セール中、ありとあらゆる茶葉が多かれ少なかれお買い上げいただいてますが、特筆すべきはこの「清香大紅袍」。雲南紅茶とか、佛手が人気なのはお察しの事と思いますが、このダークホース中のダークホースが大人気です。
タネを明かしますと、小梅さんがとにかく試飲でお薦めしている今現在のイチオシがこのお茶だからです。とはいえ、やはり飲んで見て「あっ、これ欲しいです」ってなるにはやはりお茶が美味しい事が絶対条件です。
じゃあ、今まで何でダークホースだったかつうと、このお茶は「美味しくなった」お茶だからです。
去年の茶葉、2012年ものの祝先生のお茶です。祝先生の大紅袍は2011年のものが大ヒットで、とにかく美味しいお茶でした。2012年のものはそれに較べて、ちょっとだけカドがあるというか、ちょっと足りない部分と過ぎた部分が両方。一言でいうと凸凹のあるお茶でした。
時の流れというのは大したもので、時間が経ってこの凹凸がちょうど良い塩梅に平たくなってきて、さらに小梅さんが何回か手入れをした事でまろやかさが増しました。
とても説明が難しい種類の味と香りを持つお茶です。
シャープさの名残り、茶葉の持つ厚みのある味、ちょっとピリっと刺激、喉の奥から帰ってくるかすかな渋み…。多層構造に複雑に合わさった色んな要素が、結果としてとても単純でオーソドックスな美味しさを構成しているお茶です。ランの花の様な香りとか、蜂蜜のような甘みとかいった説明しやすい美味しさとは全く違う岩茶です。番頭泣かせですねえ、こういう正統派は。
ちゃんとした料理人さんが手間をちゃんとかけて作った野菜の煮物、みたいな美味しさなんで、褒めようが無いんですね、イマイチ。
とにかく美味しいお茶である事は間違いありません。先入観なく試飲されたお客様がお買い求めになるというのは、つまりは美味しいからです。ぶらっとお散歩の途中に偶然立ち寄られたお客さまが「あ、これ買って帰ろう。淹れ方って難しいですか?」とこんな感じの美味しさだとお考え下さい。
一年近く眠っていた祝先生の十八番。どうやら目を醒ましたみたいです。
寝る子は育つ、つってね20日(祝)はお休みいたします。