番頭でござんすよ。
今日はお餅つきの日。人形町大通りには周辺各町会が一同に集結して、それぞれが競い合うようにお持ちをついています。ずらりと並んだ町会のテントと臼、揃いのハッピ。なんつうか、ここは東京のど真ん中にある田舎です。
茶荘が軒先をお借りしている二丁目三部会もお歴々が続々と集まってきてます。毎年用意するまかないのうどんも各町会ごとに決まってます。カレーうどんだったり豚汁うどんだったり。
ぶらりと冷やかしに行っても普通に参加できるイベントですんで、お時間のございます方は是非。確か3時過ぎぐらいまでやってるはずですんで。
茶荘は4時までのんびりお茶など飲みつつの通常営業です。
ここのところお客さまの注目を集めている「プーアール茶」
熟茶はほっこりしていて、お腹を温めるお茶ですので冬場には特に人気があります。日本ではおおむね「プーアール茶」と言ったら熟茶の事ですね。麹による強制発酵をした、赤色の強いお茶です。
赤丸急上昇は「生茶」です。
あまり馴染みの無い、まだまだ日本ではマイナーな存在かもしれません。要するに強制的に後発酵させず、お茶の体内時計どおりに熟成していくお茶の事です。
葉のグレード、経年、産地等々の要素によって味のバリエーションが豊富なのも生茶の人気の理由です。すっきり飲みやすいもの、シャープでちょっとスパイシーなもの、とろみと魚のダシのようなアミノ酸香の強いもの…、飲み比べるのも良し、お気に入りを見つけるのもまた良し、です。
何しろ、置いておけば置いておくほど味わいが良い方向に変化していくお茶なので、中国では1ダース=7枚単位でお気に入りのお茶をあれこれ買い置きする方も多いです。つっても、7枚で約5斤=2.5キロあるんで、「ちょっと買ってみようかしら」って量ではないっすね。
一枚買うほどじゃないけど、生茶ってちょっと気になるぞ、という方。
まずはお気軽に試飲からどうぞ。試飲テーブルの奥にズラリと並んで居る熟茶や生茶。それでもお試しいただけます。初めての方にはまずすっきりさっぱりの「千家封」あたりから、がお薦めです。
試飲用のお茶が明らかに棚に並んで居るお茶より多いのは…単に並べきらないからです。
どのお茶もその場でお崩ししますので、「ちょっと気に入ったから試しに」という方には50グラム単位でお求めいただけます。だいたい5グラムの茶葉で2リットルぐらいのお茶が出来ちゃいますんで、コストパフォーマンスも抜群です。
ここ数年、プーアール茶は中国でもブーム再燃。有名な山(産地)を中心に大手資本の寡占が進み、同時に価格も上昇を続けています。何しろ置いておけば価値が出る、というお茶なのでいっぱい買っても大丈夫、なので投資がわりにもなっちゃうんですね、中国では
それでなくても趣味嗜好の物なので良い物はより高くなる傾向にあります。ちょっと昔の「プーアールバブル」の時とは違い、高値安定するんだろうな、と帳場を預かる番頭はかなり憂鬱です。ま、幸いギリギリのタイミングで買い付け出来た分がまだまだあるんで、この悩みのタネが芽を出すまではもうちょっと猶予がありそうです。(←脳天気)