桜桜桜桜。
お花見でたいそう賑やかな日曜日の人形町でした。
貴重な観光資源、お江戸日本橋も
日本橋桜フェスティバルで全乗っかりです。12日まで、週末には桜バスが、来週末にはくだんの桜タクシーも走ります。
茶茶茶茶。
茶荘の日曜日は評茶で始まりました。
「お茶飲みませんか?」
小梅さんがこう誘う時は、もちろんナンパではなく、そしてお気に入りのお茶をゆっくりと楽しむ事でもありません。
たいていの場合が飲みたいお茶あるいは飲んでおかないといけないお茶がある場合で、そんな時にはこのデンスケ賭博のような評茶セットが並びます。
昨日のお茶は凍頂の春茶。毎年この時期になると小梅さんの評茶は一層頻繁になります。今年の春茶に対しての予習であり、これまでの復習でもあります。真空パックのままいくつも取ってある過去の春茶。茶荘の春茶として選んだものも、選ばなかったものも大事にとってあります。
春茶4種。
凍頂春茶の評茶に番頭を付き合わせるには理由があります。
毎年、ちょうど凍頂の春茶が出来上がり、いくつかのロットのお茶のサンプルが届く頃、小梅さんは雲南か武夷山にいる事がほとんどです。
なので必然的に番頭が評茶をして、茶荘の春茶を決めないといけないという(建前)事態が多々発生するからです。実際には(本音)小梅さんの滞在先までEMSが同じサンプルのセットを届けてくれて、小梅さんも現地で評茶をする事もあるんで、番頭の荷も少し軽くはなるのですが。
とは言え不測の事態に備えて毎年凍頂春茶の評茶は番頭にとって結構なプレッシャー事案ではあるのですよ。
鑑定杯のお茶の色をみただけでも、同じ春茶とはいえかなりの違いがある事が見てとれます。
これ、4つとも同じ劉さんの茶畑で育った茶葉から作られています。どれがどれ、というのはちょっとアレなのですが、一年違うものもあれば、同じ年で採茶日が違ったり、発酵の強さが違ったりしています。何にせよそれほど大きな違いではありません。でも味とか甘みが確かに違うのです。
同じ年のロット違い。
右は発酵がやや強く、しっかりとした味わい。凍頂の評茶で用いる4グラム6分方式だとかなりしっかりと渋みが出ます。その分「回甘」=戻ってくる甘みは強く、いつまでも口の中に残ります。
左は発酵浅めですっきりと飲みやすい味わい。反面2煎目3煎目で弱さが出る印象があります。強めに抽出して飲みやすい、つう事は普通に淹れたら物足りない感じがすると思われます。
評価する為の試飲が「評茶」なのですが、特に選ぶ為の評茶は基本的に減点法です。弱点のあるお茶が脱落していき、最後に残ったお茶が選ぶべきお茶、という事になります。 選んでも良さそうなお茶が数種類ある「嬉しい悲鳴」の時もそれなりに悩みますが、選ぶべきお茶が無いという時もあって、そりゃあ悩ましいもんです。
今年の春茶はどうでしょうか。嬉しい悲鳴のほうである事を願ってはおりますが。
今朝も評茶です。
ここだけの話、ちょっと楽しみでもあります。
…これで鬼教官さえいなけりゃ、ねえ。