お暑うございます。
本日、25日土曜日は茶荘が入れていただいている人形町二丁目三部会の縁日でございます。なにぶん都会の下町の事、立派な櫓を組む場所はありませんが、路地を一本使っての盆踊りと屋台、抽選大会。各町会ごとに趣向を凝らした夏の風物詩が楽しめる一日です。
夕方からは隅田川花火大会。「あの」2年前の阿鼻叫喚を否応なく思い出してしまいますが、今夕は天気も大丈夫そうで、大盛況になる事と思います。川っぺりの、「穴場」としてすっかり有名になってしまった(って事はもう穴場ではないですね)見物ポイントに住んでいる番頭は帰り道がちょっと不安です。ヘタに終わる頃に駅に着いてしまうと向かってくる人の流れに押し戻されて帰宅もままならなくなるからです。
楊さんの茶壺です。
朱泥の小品、楊さんらしさがいかんなく発揮された「可愛らしい」作品です。最近積極的に大作ものに挑んでいる楊さん。それはそれで素晴らしい作品を数々作り出してはいますが、番頭はやはりこの茶壺のような小品の細かい所に楊さんのセンスを感じます。
明るい朱色。小ぶりに見えますが140mlと使い勝手の良い容量です。口が大きいので茶葉の出し入れも楽そうです。
細部までキチっと作り込んであります。このあたりの時間と手のかけかたが「作家もの」の作家ものたる由縁ですね。
非常にうんうんと頷ける茶壺ではありますが、唯一にして最大の謎がこの茶壺の名前です。
…何て読むんだ?
小梅さん曰く「じぇじぇかお」です。 何かちょっと前の流行語を語尾だけアレンジしたみたいな名前です。
どうしても対応する漢字が見つからないので小梅さんに再度、今度は意味を尋ねます。
「竹がちょっとちょっと大きくなっていく、です」 …はあ?
成る程言われてみれば口や把が竹っぽく節が…節?
成る程、どうやらこの「待つわを歌うあみん」みたいなフォルムの字は我々に馴染みのある「節」という漢字の簡体字バージョンのようです。従って強いて日本語表記に直すと「節節高」という事になります。
節を増やしながら日々たゆまず成長していく竹をモチーフにした茶壺のようです。
なるほど蓋のてっぺんの波平ヘアーみたいなのも竹の先っぽという訳ですね。
植物をモチーフにした茶壺は数多くありますが、一つ一つ、こういった縁起の良い意味がテーマとして隠されているのかもしれません。
勿論茶壺としても実用的で淹れやすそうなデザインです。台湾の青いお茶なんかに使うといいかなあ、などとあれこれ想像してはニヤついてます。自分の茶壺でもないのに。