番頭ですぐしっ。
ちょっと季節の変わり目に風邪を引いちまいました。
カレンダーを見ると、ちょうど今週末から続くイベントラッシュ前のベタ凪な週なんで助かりました。♪運が良いとか悪いとか、人は時々口にするけど♪ ま、不幸中の幸いですんで早めに治すとしましょう。ビビリな番頭は風邪はとにかく水際で防ぐ事にしとります。
体調を考慮して今朝のお茶には炭焙煎の凍頂春茶とプーアール熟茶の歴程を選びました。
身体の中を温めるのと胃腸を整える為の熟茶。 喉や鼻にやさしくすっきりする台湾茶の火入れしたもの。組み合わせに根拠はまったくありません。こういう時は何となく「飲みたいなあ」と思ったものを素直に飲んでおくのが一番。自分の身体の事は自分が一番判っている…はずですから。
凍頂烏龍茶のほうは今年の春茶を鹿谷の劉さんが炭で焙煎してくれたものです。岩茶の火入れとはまた違った、透き通った甘さがしみじみ美味しい、優しく火の入ったお茶です。
身体をポカポカに温めたい、という時には岩茶が強く作用しますが、生憎風邪引いてるもんであまり香りや甘みのインパクトが主張するものは「しんどい」感じがして食指が動かないです。 熱がある、なんて時にはガッツリとっておきの肉桂あたりで汗出すのもいいのでしょうが、そこまでの風邪でもないもんで。
熟茶の歴程はクセが無く飲みやすい、という事で選びました。甘みが強かったり味が濃かったりするお茶だと、本来の持ち味が風邪のバカっ鼻と鈍感喉のせいでわからず、かえってイライラしたりします。歴程はもともとさっぱりとして飲みやすいというのが持ち味なので、あまり神経質にならず気楽に飲めるのが嬉しいです。
生来ビビリな番頭、非科学的な事やオカルトっぽい話は出来るだけ避けるようにしておりますが、それでもこんな時にふと頼るのが、お茶やお茶を淹れる器にかけられた人の思いや時間です。
茶葉も、そして茶器もそうですが、一から十まで機械で作られているわけではもちろんありません。劉さんの凍頂烏龍茶は摘み子さんが手で摘みますが、機械を使って摘んだ場合であれ、茶葉が育つまでの膨大な時間や手間は同じようにかかりますし、良いお茶になるように、という願いとともに作られた茶葉にはそれだけ人の手や思いが詰め込まれてる、と思います。
「手当」ってのは本来は字の如く「手を当てる」行為だったようです。非常にプリミティブな医療行為の形なのですね。 番頭は茶葉や茶器を売る事を生業としておりまして、そういった思いが少なからずこもった葉や器を託されてます。
そのせいもあってか、使い慣れた茶器で飲み慣れたお茶を飲むと「こんな所でへばってられる身分じゃねえだろうよ」、と少しシャンとします。。。少しですけど。
そんなこんなで、朝から多めにお茶を飲んでしっかり身体の中を温めて鼻と喉を通しました。だいぶ回復してきたようです…気のせいかしら。
気のせいですよ。