宜興の作陶家、周珂迎さん。
お父さん(志雲さん)と区別をつける為に周さん(息子さん)、周Jr.などと呼んでおりましたが、今や茶荘の棚のかなりを占める茶壷がこの周さんの作です。なのでそろそろ「息子さん」「ジュニア」って呼ぶのは失礼かしら、などと思っておりました。ちゃんと名前もある事ですし。
そんな周さんの茶壷をお客様にお買い上げいただいた際にお渡しした茶壷の作品証。何気なくお渡ししようとしてちょっと違和感を覚えました。ちなみに下が従来見慣れたもの、上が違和感を覚えたほう。
作者の名前「周珂迎」が「周迎珂」になってます。
あれれ、、書き間違えたのかしら、ぐらいに思ったのですが、よく考えたら自分の名前っすよ、本名の。
普通間違えねえだろう、と思い小梅さんに話したら「奥さんが手伝って代筆してるのかしら」
…ははあ、成る程。最近めきめき頭角を現してる周さん、作陶で手一杯なのかしら… って、ダンナさんの名前間違える奥さんがどこにいるんすか、小梅さん。
数年前に結婚されて、子宝に恵まれて今や一児のパパ。まだまだ高名なお父さんにはランクも知名度も及ばないものの、意欲的に作陶活動に励む周さん。多忙なのは聞き及んでいましたが、とうとう心労から自分の名前もわかんなくなっちゃったんでしょうか?
って事で早速小梅さんに連絡してもらいました。Wechatで画像を送って、そのまま通話モードで話す事しばし。
「どでした?」
「名前、変えたと言ってます」
「はぁ?」
「縁起が良いんですって」
成る程、そういえば茶壷の落款も「周迎珂」に変わってました。検品時にうっかりして見落としてたんですね、番頭が。
こっちが見慣れた「珂迎」バージョン。SNSのプロフィール写真みたく、何か軽いノリで変えるんすね。
ただねえ、「縁起が良いから」って言われても
1)今まで30年以上縁起の悪い名前で生きてきたんすか?
2)名付けたお父さんは納得してるんすか?
3)前後引っ繰り返しても総画数かわんないっすよ。
等々、腑に落ちない点は多々ございます
ただ、肝心の作品証が以前のまま。
「まだたくさん残ってるから」
そこは縁起担がんでもいいんかいっ。
まあなんつうか、大陸的な考え方というか文化つうか。
ともあれ、周さんは周珂迎から周迎珂に変わりました。 なんだかなあ。
昔の周さんの直筆の署名やら作品名はびっくりするほど個性的というか、まあ若者風だったんですが、ある日を境に急に達筆になりました。代筆疑惑は若干残りますが…結婚した後ぐらいなんだよなあ、急に筆跡変わったの。。。ま、作陶にその分集中してるのか、日ペンの美子ちゃんのとこで勉強したんでしょう。