注意、音でます。のっけから動画です。
宜興の楊さんのアトリエで楊さんのこさえたマグカップに画や書を入れる、の図。
無理矢理連れてこられて強制的にやらされてる感のあるこのおっさんは書画家さん、けっこう有名な先生らしいです、見た目貧相だけど。
茶壷に書や画を入れる、というのは中国ではとてもポピュラーです。描かれているもののクオリティも込みで茶壷の評価が上下したりもするので、けっこう重要なファクターであります。
補完関係にある、というより書画家のネームバリューのほうが大きい場合もあったりするみたいです。作陶家さんの作品集や証明書の写真にはしばしば「○○先生と私」的な写真がのってます。楊さんも数年前まではこんな感じでした。
周志雲さんも。 周さんは書画家さんだけでなく、盆栽の分野の偉いさんとの写真も多いです。
実際には書かれた書画を削るなり盛るなりするので、筆で描かれたものはいわば「下絵」にあたるのですが、考えようによっては茶壷が無地のキャンバスであったり真っ白な掛け軸だ、とも言えます。作陶家さんによってはちょっとした絵柄や書は自分でちゃちゃっと書いちゃう、という人もいるみたいですが、基本的には分業制になっています。
茶荘の棚に並んでいる茶壷は装飾を施しているものは比較的大きな茶壷が多く、200ml以下の小ぶりな茶壷は書画のない無地のものが多いです。形状的に何か描かれているほうが茶壷の姿がビシっとするものは何かしらの絵柄を入れてもらいます。この雅韵壺なんかがその典型です。無地だとどこかまとまりがないというか、輪郭のぼやけた印象になってしまうのです。
こちらの豆清砂の雅韵も同様です。 土が稀少なので楊さんを拝み倒して作ってもらっているんですが、さすがにそろそろ限界っぽいです。 なのでこの画像は同じ土で注文する時用、というより絵柄の参考用に使います。
注文する時にこちらから絵柄のサンプルを渡してその通りに茶壷に移植してもらう、というのは実際にはとても難しいので、以前に作ってもらった茶壷の中で出来の良いもの、評判の良かったものなどの画像を元に打ち合わせを進めていくのが現実的です。
後は何か「これ茶壷に使ったらいいなあ」と思った写真や書画があったらとっておいて楊さんに見せる、という事もあります。 ただ、うっかりランダムに参考資料を送っちゃうと「富士山と桜」的な『私の好きなザ・日本』な柄を入れちゃったりするので油断は禁物です。やっぱね、中国茶壷に純日本的な絵柄や字はちょっと合わないんですよ。縦書きで「親父にもぶたれたこと無いのに!」とか、微妙なアン○ンマンの画とか、「左手はそえるだけ」とか書いてある茶壷…ねえ。
小梅さんのお茶の旅まであとちょっと。打ち合わせの結果、どんな画や書の茶壷が出来上がってくるか。それは出来てのお楽しみ。
モデルならここに居るのに…