番頭です。色んなものを吹き飛ばして荒れに荒れた昨日の風も一段落。今日はお陰様で入り口の戸を開けはなして営業しております。通り抜ける風が気持ち良い朝です。こんぐらい吹くぶんにはいいんすけどねえ。
自分用の一杯目に水仙を淹れた後はプーアールの生茶です。
たぶん小梅さんも生茶からスタートする筈、と読んで数千キロ離れた昆明と人形町でシンクロさせようかな、と。
選んだお茶は老曼峨の散茶。柔らかいのに生茶らしいコクがあって、しかも甘みに変わる渋みが絶妙な「楽しい」生茶です。強い生茶が苦手な番頭はどうしてもあっさり目のものを選んでしまいますが、この老曼峨はさらっと飲めるのに余韻がいつまでも続くので大好きです。
蓋碗も以前の画像の中で昆明の楊さんが使っていたものでお揃いを狙ってみました。若干蕎麦屋のどんぶりっぽい柄ではありますが、アチチになりにくくて使いやすい蓋碗です。
淹れては飲み、飲んでは淹れ…なにせ煎もちが異様に良いお茶なので「ここまで」つうのがありません。何煎続くか、というより何煎まで飲むかというこちらサイドの問題になるお茶です。
芽、若葉、葉。古樹茶によく見られる混成です。出来たての頃はもっと緑色が強いのですが、月日を経て後熟されたやや赤みがあります。これからもっと柔らかく深く育って行くんだろうなあ、と楽しみです。残り少なくなってきたんで、自分用を忘れずに確保しとかんとなあ。
強風でダイヤが乱れた昨日の成田空港ですが、小梅さんの早朝便は定時運行。お昼前には上海浦東空港に着きました。
国内線のチケットにオマケで付いてきた招待券で図々しくもファーストクラスラウンジで乗り継ぎ便待ち。国内線用なのでややチャチに見えますが冷温軽食と飲み物が用意されてます。何より静かだというのが嬉しいですね。中国では公共の場所での静寂は何よりのご馳走ですんで。
楽あれば苦あり。一時間遅れで昆明着。しかも新しいほうの空港はやたらと広いんで歩かされる距離も時間もかなりなもののようです。
空港バスで市内へ。ここで楊さんのご主人に迎えに来てもらってホテルへ。ホテルは北京路という賑やかな大通りにあり、楊さんが店を構える茶城までは徒歩20分。。。ううむ、微妙な距離だなあ。
幸いホテルは安くて部屋は狭いものの清潔、との事です。お茶の旅は朝から晩まで人と会ってお茶飲んでお茶飲んでお茶を飲む…というのが半日続くので、宿は一人になれる貴重な場所です。
これまた幸いな事に朝飯付き。今朝はこれ食べて茶城に出勤です。
グーグル老師による茶城の地図。お茶屋だらけです、当たり前ですが。
ここをベースにあれこれ動き回る数日間になりそうです。
てな事書いているうちに小梅さんから送られてきた「今日の評茶、ひとぉつ!」
…蓋碗の柄どころの騒ぎじゃなく、お茶が全然ハズレです。
小梅さんのお茶の旅は雲南紅茶「鳳慶」から始まりです。
シンクロ率0%。 やれやれです。