グーテンモルゲン!イッヒビン番頭。
相変わらず冷え込むものの、ちょっとだけ空気が春っぽくなってきたというか、冬に勢いがなくなってきたような感じの朝になりました。ノー天気で単純な番頭は少しウキウキと評茶用セットなぞ引っぱりだして朝のお茶の準備なぞしております。
今朝は久し振りに伝統凍頂烏龍茶なぞ。 正直、自分から進んで淹れる事があまり多くないお茶の一つです。と言っても苦手な訳ではなく、このお茶は小梅さんが割と頻繁に試飲したりお客様にお勧めしたりする関係で、自分で淹れなくても飲む機会がそれなりに多いからです。
伝統型の凍頂烏龍茶。現在茶荘に2種類ある焙煎の凍頂烏龍茶のうち、焙煎がやや軽く、発酵がより強いほうのお茶です。もう一種類の焙煎凍頂烏龍茶はより焙煎が強く、その代わりに発酵はそこまでしっかりしてはいません。焙煎凍頂烏龍茶が判りやすく香ばしいのに対して、伝統凍頂のほうはちょっと複雑な味わいです。見た目にも大きな枝がなく、より深い緑色をした小さく丸まった葉が特徴的です。「比賽」=コンテストの出品茶がこんな感じの高発酵軽中焙煎です。
どっしりと深みのある茶葉の味わいをしっかり出すように、時間をかけて抽出します。とはいえ今朝は5グラムで2分とやや茶葉多めの時間短め。今週の予定などを考えつつゆっくり飲む自分用のお茶なのでこうやって煎数を稼ぐ作戦です。。。つっても差し当たって予定はこれといって無いんすけど。
深みがあってしっかりと味に厚みのあるお茶ですが、華やいだ香りや強い甘みが持ち味ではないのでけっこういい加減に淹れてもちゃんと持ち味が出てくれます。長めに出せばそれなりに渋みも出て、短めに出すとさっぱりとゴクゴク飲めるお茶になってくれるので、考え事したりメールのチェックをしながら淹れても美味しく入ります。ちょとだけバタバタする週明けの朝にはうってつけのお茶でもあります。こんな事書いてるのをまた小梅さんに見つかると怒られるんだろうなあ。怖い怖い。
素朴な、それでいて複雑に変化する伝統凍頂の味わいに合いそうだという事でいただき物の麦焦がしをお茶請けに。 ほんわか甘じょっぱくて良く言えば素朴な、悪く言えば垢抜け無い懐かしいお菓子をポリ…お茶をゴク…ポリ…ゴク。わしゃ縁側のご隠居かっ。
麦焦がしが口の中の水分を根こそぎ持って行った後の伝統凍頂の程よい渋みが心地よいです。
一日のスタートのお茶としてはあまり相応しくない組みあわせのようで、なんかのんびりとしてしまいました。
抽出時間を延ばしながら4煎。まだまだ時間かけて飲めそうな葉底ですが、これ以上のんびり出しちゃうと勤労意欲も出涸らしになってしまいそうなんで今朝はここまで。そうこうしてるうちに小梅さんもご出勤。焙煎籠に今日お手入れする茶葉を入れたらふたたびお茶の時間です。 何かお茶ばっかり飲んでますな、我ながら。