10月の試飲会は4回いずれもお申し込みが定員に達した為、受付を終了いたします。あしからずご了承下さいませ。
ハッピーマンデー!!番頭でっす。
今朝のお茶は紅茶「鳳慶」です。「おおとり けい」だと何か昭和の夫婦漫才か宝塚雪組的な感じになっちゃうんで、茶荘では「ふぉんちん」と呼んでいます。
鳳慶はお茶の名前であり、雲南省鳳慶県という地名であり、鳳慶大葉種という茶葉の品種名でもあります。ちょいとややこしいのですが、鳳慶は雲南省の紅茶、くらいに覚えておいていただければ。
あったかい鳳慶を飲むのは久し振りです。奇蘭と並んで夏場の水出し戦線では頼りになるエースなので夏場は仕込んだのを味見する関係で頻繁に飲みますが、それゆえ鳳慶=水出しみたいな変な刷り込みが出来てしまいます。あったかいので紅茶、というと雲南の孟宋古樹やら宜興の工夫紅茶やらを飲む事が何か多いです。鳳慶はバランスが良くてコストパフォーマンスはこの上なく良いのですが、何かとっておき感が無いのでトピックになりにくい紅茶です。
「滇紅」と称される雲南省の紅茶に共通のちょっとこってりとした黒砂糖や焼き芋のような甘みと、大葉種らしい少しスパイシーなピリピリが舌に感じられる紅茶です。渋みが少ないので思い切って長めに置いてから出しても飲みやすく、クセが無いのでTPOを選ばない優秀なお茶です。
…だからかなあ、ついつい忘れっちゃうんすよね、存在を。いや、あったかい用の25グラム、50グラム共に売れ筋ではあるんですけど、なんかピックアップするにはニュース性が無いつうか、これといった欠点が無いつうか。
それだけ完成度の高い紅茶だ、とも言えそうです。孟宋古樹には及ばないものの、ガラスの茶壺でたっぷり5煎楽しみました。5煎飲めるというのも鳳慶のバランスの良さ故かもしれません。インフレが進む中国茶の中にあって、こんだけ安定した味わいのお茶がこんだけ(25g=1,000円です)お値頃なのは手前味噌承知で言えばかなり凄い事だと思います。
鳳慶紅茶の産地、雲南省鳳慶県は西双版納や思茅といった生茶の名産地からちょっと離れています。アクセスも決していいとは言えないので、昆明の楊さんに色々助けてもらいます。何せ雲南のお茶全般についてはエキスパート中のエキスパートなので楊さんが「これとこれ、あとこれ」ってピックアップするお茶はまず外れがありません。小梅さんの良き相談相手であり、試飲の友でもあり…ある意味碁がたきみたいな存在でもあり。
水出しでしか飲んだ事がない、あるいは鳳慶そのものを飲んだ事が無い。もっといえば中国紅茶はキームンくらいしか…という方にも是非一度お試しいただきたい紅茶です。紅茶そのものが苦手、という方でもたぶんこれは大丈夫なんじゃないかな、というくらい飲みやすい紅茶です。。。だと思います。