昨日の続きです。
鹿谷の劉さんから届いた冬茶の試飲。
さっそくいそいそと小梅さんが準備にとりかかる間、記録係の番頭はまずは茶葉を画像に収めておきます。
計5種類のサンプル。青心烏龍と金萱の2品種で、同一品種はそれぞれ採茶日が違うロット違いものです。
半球状に丸められた茶葉。まだ完成まではもう一回乾燥が必要な「半製品」ですが、岩茶の毛茶よりは製品に近いのでこの状態でもじゅうぶん美味しく飲む事が出来ます。
言われた通りに各4グラムづつを計ってそれぞれに番号をふっておきます。
鑑定杯→鑑定碗→茶海、と順にお湯で予熱をしたら試飲の始まりです。まずはそれぞれ茶葉を投入。
お湯を注いでタイマーを6分にセットします。4グラム6分、これが劉さんところの凍頂烏龍茶の評茶のスタンダードです。
この6分の間はお湯を沸かしておく以外特にやる事も無いので若干緊張しつつ大人しく待ちます。
6分経ったら出来上がり。1煎目の評茶にかかります。
まずは5種類のサンプルだけを一気に評茶します。金萱なら以前の年のものと、冬茶は今年の春茶や去年の冬茶と…という比較試飲はこの後順次続けていきます。5種類の中にもし「これはもういいや」と思うお茶があった場合はそのサンプルはそこまで。今回の5種類は幸いどれも篩いにかかる事はありませんでした。痛し痒し、ですが。
6分で出したお茶は、やはり普段美味しく飲む為に淹れるお茶よりもかなり濃いです。かつまだ出来たての青々しい茶葉なのでかなり胃にもきます。評茶はケースバイケースで、「この中から1つを選ばなければいけない」時は長所を探す加点法ですが、大抵の場合は短所を探す減点法で飲んでいきます。なので何種類ものお茶を何回も評茶した挙げ句に「該当者なし」な結果に終わる事もじゅうぶんにあります。ま、商売ですんでそのあたりはシビアにやらんと。
2煎目も6分。けっこうフラフラになります。
お茶なのでやはり香りや味が一番重要ですが、茶葉の厚みや発酵の度合いなといった目で見える情報も大事です。仕入れたらすぐに全部売れてすぐに全部飲む、というワケ
では無いので、一年後どうなっているか、という所まで予想しないといけないので。今飲んで美味しい、というのも勿論大事ですが。
5種類飲み終わった1セット目。珍しく小梅さんの意見と番頭の感想が概ね一緒だったので番頭一安心。
この後延々とそれぞれのサンプルを切り分けた比較試飲が続きます。
…たぶん今日も。
小梅さんの広州行きまでには結論を出して劉さんに返事をしないといけないのと、肝心の欲しい茶葉が売れてしまうと元も子もないので結構焦りつつも、納得いくまで評茶は終わりません。ちょっととほほです。
飽きっぽい番頭は試飲を抜け出して買い物に。小梅さんが広州に持って行くワカメスープとかピーナツバターをちょこちょこ買い込んでから新大橋通りの長谷川商店さんへ。左隣がソフトバンク、右隣がau、お向かいがドコモという3大キャリアに挟まれて建つ海苔屋さんです。
お目当ては毎週金曜に焼く焼きたての海苔。まあまあのお値段はしますが、まあ海苔ってそんなにドカ食いするモンでもないですし。