「私達は恐れではなく希望を選んだ」
オバマ大統領が国民の熱狂的な眼差しの中で就任演説を行ったその日。私もスタートを切りました。誰も気が付かないぐらい静かに。
10坪ちょっとの場所。ここにお茶のお店ができます。
事務所に使っていた1階のスペース。大家さんは2階にお住まいです。
場所は東京都中央区日本橋人形町。賑やかな通りから一筋入った静かな場所です。こんな場所で中国茶を売っても誰も来ないのではないだろうか、そもそもここにお店がある事をどうやって知ってもらえるんだろうか・・・頭の中には「?」がいっぱいです。その?のぶんだけ不安もあります。
10坪、という広さですが、奥の半分近くは番頭さんのスペースです。不満はありますが、そもそも番頭さんの事務所というのが一年ぐらい前当初の用途だったので、彼のほうが不満を持っているに違いありません。
何もないガランとした空間を見ていても果たしてどこから手を付けたら良いのか、最初の頃は途方に暮れていました。 こんな感じにしたい、という想いは頭の中にあるのですが、色や形などの微妙な表現は私の日本語ではなかなかうまく伝わりません。
そうこうしている間に、番頭さんはこの地を選び、この場所を選んで賃貸契約を済ませました。昨年10月、ちょうど私が宜興に行っている頃でした。
縁、というのは不思議なものです。番頭さんがあれこれ動いていくうちに親身に相談に乗って下さる方や、色々なヒントを下さる方に出会う事が出来ました。
お店の施工をお任せする人も決まりました。3軒の会社に値段とプランを出していただき、どれも素晴らしいものでしたが、結局「私が一番意志を伝えやすい」と思えた方にお願いする事にしました。 番頭さんが大好きな飲み屋さんのお店を作っている方達です。
スタートして一週間経たないうちに、工事は目を疑うほどのスピードで進んでいます。楽しみでもあり、不安でもあります。やらなければいけない事が山のようにあって、頭の整理も追いつかない状態です。
でも、頑張らなければいけませんね。自分で決めた事だし、大好きなお茶の事だから。
番頭さんはかなりストレスが溜まっているらしく、ご機嫌斜めです。