番頭っす。
開店二日目。今日も多くのお客さまにご来店いただき、気づけば夜でした。
朝一番のお客さんは松ちゃんと聡明で素敵な奥さんと一歳になるやんちゃな桜太くんでした。
松ちゃんは頭領のウスキさんと一緒に小梅茶荘を作ってくれた若き腕利きの職人さんです。
職人さん、というとなんだか近寄りがたいイメージもあるのですが、松ちゃんは気さくで礼儀正しく、
かつ腕もたつという、何とも魅力的な人です。何より我が店の女主人が全幅の信頼を寄せている人でもあります。 何か、話しやすいし頼みやすく、それでいて飲み込みが早い人です。もちろん、頭領もそうなのですが。
何しろこの店のどこをとっても、松ちゃんの力なしには実現しないものばかり。そんな松ちゃんの力作を奥さんに、そして小さな跡取りに見ていただけたのは何よりの幸せです。桜太くん、君のお父さんはすごいんだぜ。
「お前は人として何か当たり前の事が欠けている」ちょっと前に昔からの親友にあらためて言われました。何が?と聞くと具体的な点はうまく言えなかった彼のその曖昧な忠告を半笑いで受け流してはいましたが、今日の松ちゃんと奥さんを見ていてあらためて判りました。なるほど、おいらには何か大切な部分が欠けているようです、それも致命的に。
日々反省。 番頭が駄目な店はたいてい潰れます。