番頭でやんす。
土曜の朝、女主人は登板回避で肩を休ませております。そろそろ出てくる頃だとは思いますが。以前にも書きましたが、当茶荘の生命線であり持ち味でもあるのが彼女の手であり舌であるので、お客様が多くおみえになる(といいんですけどねえ)事が予想される土曜日はピークに備えてなるべくエースを温存させなきゃなりません。 で、朝の開店準備はムダに元気な以外取り柄のない番頭が相務めております。
「何でここにお店を開こうと思ったんですか?」とよく聞かれます。 質問の意図が「何で裏通りなの?」という立地と「何で人形町なの?」という場所の両方なのですが。上の画像は店の前の道です。前方左側が当茶荘。確かに、何でここなんだ?という疑問ももっともです。
一年以上、お休みの日なんかにあちこち歩き回りました。どこに店を構えるのがいいのか?という事をリサーチ。。。ま、散歩がてらブラブラですが。いくつか候補が挙がりました。谷根千、神楽坂、西浅草、東麻布などなど。 そんな中、一番しっくり来たのが人形町という町でした。
番頭の造語ですが、人が集まる町や観光地には大雑把に「鎌倉型」と「セントラルパーク型」があると思います。前者には箱根や神楽坂なんかが入ります。後者の典型は京都、でしょうか。
鎌倉型、というのは言ってみれば「入り口出口が限定されている」為「人の流れが集約される」場所です。関東地方の方には鎌倉に電車で行く時の事を思い浮かべていただければ想像しやすいかと思います。或いは箱根に。 番頭は鎌倉というと判で押したように北鎌倉駅から建長寺〜鶴岡八幡宮〜小町通り・・・というベタなルートを通ります。時々山越えしたりもしますが、スタートは同じです。箱根然り。 長所としては「いつもの場所」に来た安堵感や行動記憶に結びついた懐かしさが感じられるという事です。短所はルートを外れた所に人が流れにくいという点。業種で言うと飲食店には勝ち目はあるものの、物販店には新規参入が難しそうです。鎌倉型は歴史的背景(古い町)や地理的要素(周囲が山、平地が少ない)などの共通の条件下で多く見られます。
セントラルパーク型は反対に入り口出口が決まっていないので人の流れはバラけます。また、平面的で座標軸のようになっている事が多いので適当に歩いても迷わずに済みます。その為あてもないブラブラ歩きやいつもと違う道に入り込んだりする人が多いのです。短所長所は鎌倉型をそのままひっくり返せば明白です。 中国茶の販売、という正直言ってそれほど人を引きつける業種ではないので、やはり「うっかり迷い込んできた」お客さんが多いほうが良いのは自明の理です。 毎度お馴染み、が好まれる鎌倉型は新参者に厳しいですが、裏通り探検が楽しいセントラルパーク型はいくらか勝負出来ますもんで。
人形町に決めた理由は他にもいっぱいあります。 お茶(美味しければ、です)にお金を払う文化が根付いている町である事、ご近所に集客力のあるお店(や名所)がある事、生活の場+仕事の場+観光の場というバランスが取れている事。。などなど。
生来理屈っぽい番頭はそんな事から人形町を選びましたが、一番決定力があったのは女主人の「ここ、好きです」の一言。 ま、彼女は長嶋さんで私やノムさんですんで。