番頭っす。
連休明け、久しぶりに茶荘の前はお昼休みの行き帰りの皆さんで賑やかでした。
人形町のお隣、日本橋富沢町は繊維や服飾の町です。大小多くの問屋さんが軒を連ね、そのまま横山町、浅草橋へと続きます。これだけ流通が整備されたこんにちでも地方の洋品店さんが現金問屋に買い出しに来る光景は変わりません。
そんな富沢町の一角に不思議な路地があります。
広めの一方通行が互い違いに整然と並ぶ碁盤の目のような町で、この路地だけは異質です。路地のみならず、その空間というか雰囲気が異次元の空間のようです。通るたびに「迷い込んでしまった」感がいまだに抜けません。 道路を挟んだ左右の家々が周囲の土地より若干低くなっている場所もあり、ここだけが何か時間の流れに取り残されているような感もあります。まあ、一言で言うと不思議な路地、って事っすね。
左右には多くのお店が。小さな飲み屋さん、お寿司屋さんもあります。本当に狭い間口でお弁当を扱うお店も多くみられます。どうやらこの通りは周囲の問屋さんやオフィスの胃袋を引き受けるお昼の供給源の役割をしているみたいです。
自家焙煎コーヒー豆の店。こんな感じの「ん?」と引っかかるクセモノが散らばる不思議箱のような場所でもあるようです。実は番頭、茶荘の場所を探している際にちょいとこの路地が気になっていた事もありました。「何か面白そうだぞ。ここなら色々と仕掛けが作れそうだし。」身銭じゃなければここに店作っていたかもしれません。儲かってる先端企業やおされ系食品業界の方はこの路地に店出すと面白いと思います(←無責任す、身銭じゃないと途端に)
「何屋さんだんべえ?」と首をかしげる店もちらほら。
火灯し頃に通ると夜の店も見られて面白そうっすね。あいにく番頭がここを通るのは「シモジマ」つう、なんでも揃う小売業の見方、みたいな店に買い出しに行く時だけなんですが。
しつこいようですが、本当に一軒一軒の間口が狭いす。よくもまあこれだけの業種がこんな限られたスペースで出来るモンだ、と感心します。この鰻屋さんは鰻好きの人の間では広く知られる隠れた名店、だそうな。
Google Mapさんが一部だけ縮尺を間違えたわけではありません。この真ん中あたりにある異空間がくだんの路地です。震災と空襲。どちらも富沢町界隈には深い爪痕を残しました。奇跡的に免れたんでしょうか、ここいらあたりだけ。だとしたらかなりヒキの強い場所、とも言えるんじゃあないでしょか。