番頭っす。
よく晴れたあったかな日ってのは続かないモンですな。
野暮用があって浅草に行ってきました。浅草、といっても雷門や仲見世なんかがあるおもて側じゃなくて、観音堂の裏側あたりから西側を中心に広がる「裏浅草」エリアです。付近には吉原の色街とかガイジンさんにも有名な「かっぱ橋道具街」なんかがあります。不況の煽りもあり、商店街(千束通り)もシャッターが目立ちます。ちょいと寂しい気もしますが、まあこの寂れた感も浅草の味、みたいな部分もあるんです。
ちょいと裏通りに入ると、芝居の書き割りにでもなりそうな風情の町並みが続きます。人形町もそうですが、地場で人々が生活している町ってのは、なまじ整備された観光名所には無い人なつこさがあって好きです。 ここは「ねぎま」屋さんですな。
町の至る所でお目にかかるは「松」 人形町ではどっちかというと「竹」が幅を利かせてます。浅草のほうがより庶民的つうか、ざっくばらんな感じがします。 「貧乏臭い」というのが褒め言葉・・・住んでる人が聞いたら怒るかもしれませんがね。
こんな感じの銭湯も、下町ではまだまだ生存してます。大繁盛、とはいかないでしょうがそれなりに。 茶荘の近所にある「世界湯」さんも、ご近所さんたちの社交場であったり情報交換の場だったりして元気に営業されてます。銭湯文化は下町度の高さと正比例してるのかもしれません。
人形町にほとんどなくて、浅草でやたら多いのが昔ながらの喫茶店です。コーヒーショップとか、カフェではなく、あくまで「喫茶店」です。純喫茶、と謳っている店も少なくはないですが、それでもナポリだのピラフだの、食べ物関係はほとんどの店で扱ってます。この喫茶店文化は岩本町とかでは残っています。中小の会社や工場がひしまくエリアでは、喫茶店が会議室や応接室の役割を果たしてるからです。ポットに入れたコーヒーと食器一式を銀色のトレーにのせて運ぶ「出前」もよく見かけます。 このエリアの北側の端っこにはかの有名な「カフェバッハ」もあります。コーヒー党の聖地、みたいな場所らしいんですが、番頭にはただの町の喫茶店としか思えません。
小さなスナック、パブ、バーや小料理屋さんも無数にあります。これだけの店がよく生き残れるなあ、と思ったらやっぱり最近なくなる一方だとか。盛者必衰、ですかね。
目的地まで日比谷線入谷駅から徒歩20分。写真撮りながらだったんで最後の方はほぼ小走りでした。たまのお外も良いモンです。