こんにちは、小梅です。
気持ちよく晴れた土曜日になりました。お昼前から忙しくなるかも、と思い午前中に試飲をしました。今日は老叢水仙を淹れました。 私の大好きなお茶の一つです。古樹の葉らしい少しひなびた、でもとても優しい味がするお茶です。 笹のような風味、というのが一番ふさわしい表現だと自分では思っています。
焙煎籠を使い、少し火を入れて乾燥させたものと全く手を入れていないものを比較してみました。水仙特有の軽い酸味が少し際だってきたような気がしたので、もう少し味を柔らかくしようと思って少し手を入れました。少し香ばしさが出ましたが、あと2〜3日で落ち着いて優しい味わいがより楽しめると思います。 手入れはいつも大成功とはいかないのですが、今回の老叢水仙では大正解でした。
お店から少し歩いた浜町緑道で「漢方復興の地」という石碑を見つけました。石碑の裏側に説明が書いてありました。どうやら和田啓十郎先生という方が漢方復興に尽力された功績を記念しての石碑だそうです。
明治時代、ドイツを中心とした西洋医学に駆逐されていた漢方医学の復権を目指し、この地で衣食の費えを惜しんで「医界之鉄椎」という本を出した和田先生とはどういう人だったのでしょうか?とても興味があります。
お茶全般のこんにちの立場も当時の漢方医学に似ているかもしれません。私たちもこの漢方医学が復興したこの地で中国茶を初めとするお茶を、そしてお茶を楽しむ文化をより身近なものに出来るように頑張りたいと思います。
鉄椎、という言葉は秦の始皇帝に対して張良(後に劉邦の軍師となる人です)が暗殺の為に雇った偉丈夫が放った鉄球のようなものだという事です。 もしかしたら和田先生は西洋医学を始皇帝になぞらえてご自身の著書を鉄椎となるように、と願いを込めて名付けたのかもしれません。
私たちは別にスターバックスやマクドナルドに鉄の塊を投げつけるつもりは毛頭ありません。お茶文化が少し勢いが無いのは別に西洋の食文化に圧倒されているとは思いませんので。ただ、お茶を飲むという事が楽しい、お茶は美味しい、という事を再認識していただくお手伝いが出来れば一番嬉しいです。
もっともっと頑張らないといけませんね。