こんにちは、小梅です。
お陰様で茶荘は今日から二年目の始まりです。
開店から一年が経ち、その間に色々なお茶が仲間入りしましたが、やはり小梅茶荘のお茶の中心は岩茶です。ですので、二年目初日も岩茶の試飲からスタートです。
今日はちょっと珍しい「冬片」、つまり冬摘みの岩茶を三種類飲んでみました。冬片というのは時期を示します。岩茶の場合、11月の半ば前後に収穫されるお茶が冬片にあたります。
基本的には一年に一度、春のシーズンに岩茶は収穫されます。まだ葉がじゅうぶんに育っていない秋冬だと収穫の効率が悪く、また摘む茶葉の選別の判断も難しいからだそうです。 近年、国内で年々人気が高まる岩茶はどうしても春茶だけでは需要をまかないきれません。そのせいもあって今まであまり陽の目を見る事がなかった冬摘みのお茶を目にする機会が出てきたのです。
今回の三種類はいずれも祝先生から「味見してごらん」と送っていただいたものです。
黄観音です。黄緑の鮮やかさは春茶と較べるとそれほど鮮烈ではありません。葉も小ぶりなようです。
こちらは水仙。葉が小ぶりだとはそれほど感じません(水仙はもとが大きいので)が、水仙特有の葉の周囲のギザギザが少し細かいように見えました。
肉桂です。こちらは一見して肉桂とわかる大きさと形をしています。
三種類それぞれを試飲してみました。焙煎や仕上げの度合いがわからないので同じ品種の春茶との比較、というのはやりませんでした。条件が違うので比較も難しいからです。 単純に三種類を飲んでみた感想としては「まあ、こんなものだろうな」というぐらいです。特に春茶と較べて劣っているとは言い切れませんが、反対に春茶に対してここが勝っている、と言える点が見当たらないのです。強いて言えば冬片はそれぞれ口当たりが柔らかいです。この場合の柔らかい、は長所でもあり短所でもあります。何というか、岩茶の持つインパクトが感じられないのです。飲みやすいとは思いますが。春茶の場合、この強いインパクトを残しながらどうやって飲み口をまろやかにするか(飲みやすくするか)というのが一つの課題になります。その為に仕上げや焙煎に注文をつけるのですが、今回飲んだ冬片の場合はその注文の幅が少ないように思います。自由度が少ない、とでも言えばよいのでしょうか。
あまり口にする機会が無い冬片を三種類も試飲する機会に恵まれた事は大変勉強になりました。でも、やはり岩茶は春摘みが面白いかな、というのが正直な感想です。