こんにちは、小梅です。
雨です。朝からとても寒いですね。温かいお茶が何よりありがたい午後になりそうです。
以前にあった花のお茶はもう無いんですか?」「また手に入る予定はありますか?」お客様から時々お問い合わせをいただくお茶があります。碧潭飄雪、という難しい名前のお茶で、昨年の6月頃茶荘にあったジャスミン茶です。碧潭飄雪は四川省で作られるお茶で、とても若い緑茶の柔らかい味と自然なジャスミンの香りがとても上品で繊細です。
もとになっている緑茶は蒙山甘露という、献上茶であった事でも有名な緑茶です。蒙山、という場所はお茶の聖地の一つです。細長い注ぎ口が1メートルぐらいある独特の茶壺を使って中国武術のような型を使ってお茶を淹れる「龍行18式」という四川茶藝が行われている場所としても有名ですし、前漢の時代から二千年以上にわたりお茶造りが行われている歴史ある場所でもあります。
蒙山甘露は若い芽の部分を摘んで作られます。緑茶本来の渋みやコクを味わうというよりは、あくまで新茶の爽やかさを楽しむお茶なのでジャスミン茶には向いています。以前私はジャスミン茶は緑茶として使うのにはグレードが落ちる茶葉や少し古い茶葉を使うもの、と思っていました。緑茶としては通用しにくいので花の香りを付加価値として付けているのだ、と。ところがこの碧潭飄雪はもともとのお茶そのものが十分過ぎるほど美味しいものなのです。
そんな美味しい緑茶から作られる碧潭飄雪が美味しくないはずがありません。 量がとても少なかったのであまり多くのお客様にお試しいただく事は出来ませんでしたが、それでもお買い上げになったお客様から冒頭のようなお問い合わせをいただく事が少なくありません。可愛らしい見た目、どこまでも上品な香り、爽やかで甘みの強い味、と三拍子揃った美味しい花茶だと思います。
今年の新茶上市は6月初旬だそうです。もう少しタイミングが早ければ来月からのお茶の旅に是非四川省を加えたいのですが。。。多分茶摘み〜製茶は間に合いそうなので。
龍行18式も是非見てみたいですし。