ボンジュール番頭ざんす。
あったかくなるにつれて需要が増す「水出し中国茶」 普段中国茶にあまり馴染みの無い方にもすごい好評です。作るのが簡単、という事もありますが、何と言っても人気の理由はその甘みと香りにあります。
「水出しだと何でこんなに甘くなるの?」という問いがしばしばお客様から発せられます。
お茶には色んな成分が入ってます。 ざっと上げてもビタミンC、カフェイン、タンニン、カテキン、テアニン、グルタミン酸、ポリフェノール、フッ素。聞いた事がある名前も多いと思います。
この各成分、それぞれ色んな効能や味の要素を役割分担してます。 お茶やコーヒーが嗜好品である大きな要素であるカフェインやタンニンといった「刺激」【苦み】【渋み】を司るものや、グルタミン酸のように【うまみ】を作り出すもの。ポリフェノールの「抗酸化作用」などなど。
それらの中には"水に溶けにくいもの"と"水に溶けやすいもの"があります。溶けにくいものは低温ではより少なく抽出され、高温では多く抽出されます。 反対に溶けやすいものは低温でも安定して抽出されます。
【甘み】を担当するテアニン、【うまみ】を担当するグルタミン酸はどちらも溶けやすいグループに属します。(ビタミンCもこの仲間です) つまり低温、高温にかかわらず抽出されやすいのです。 いっぽう【渋み】【苦み】担当のカフェインやタンニンは溶けにくいグループ。つまり低温ではより少なく抽出されるって事ですな。
つまり、水出しはより甘いのではなく、苦みや渋みが少ない分、よりクリアに感じる事が出来る、つう事です。 お茶本来の美味しさの大事な要素であるカフェインですが、ゴクゴク飲むにはやはりさっぱりしていた方がベターなのでこれは非常に好都合です。 むしろお湯で出したものを冷やすより、こっちのほうが冷たくして飲むには適していると言えます。
カフェインが少ない=おめでたの方も安心、という事でもあります。戌の日にあたる本日、当茶荘にもおめでたの方が多くお立ち寄りになります。 水出しはとにかくお勧めです。
個人的には冷たくて苦いの、ってのも大好物ではあるんすがね。えへへ。