中国の伝統的茶壺の中でも名高い「石瓢壺」についてです。 茶壺はフォルムやデティールに応じて色々な「型」に分類されます。 あまたあるそれらのグループの中でも石瓢一門は「名門」の出、と言えます。古の名人が残した曼生18式や38式の中にも石瓢は入っています。
曲線を多様したものもあれば、よりシンプルな台形錐に近いものまでバリエーションは豊富です。大きさもさまざま。
石瓢一門からのれん分けみたいに派生したグループも少なくありません。 下ぶくれの愛嬌がある茶壺、というイメージは共通です。
中国ではとても人気のある形なのですが、日本では今ひとつ好みが分かれる形状でもあります。同じように下ぶくれで愛嬌がある西施壺という形も中国では大人気ですが日本では好き嫌いが分かれます。どうも「愛嬌」というのがキーワードのようです。日本の茶道のような背筋のキリっとした厳しさ、を茶壺に求める人には倣古壺や懐玉壺のほうが好かれるのかもしれません。
茶荘には石瓢壺、ならびにその派生型が多種あります。 じっくり較べてみると面白いと思います。