出前茶藝の為、明日の夕方は5時頃に店じまい致します。ちょいとご近所で催しがございまして、それにお邪魔させていただくモンで。悪しからずご了承下さいませ。 ー番頭ー
こんにちは、小梅です。
雨が上がったらとても蒸し暑い午後になりました。夕方には少し涼しくなると良いのですが。
宜興紫砂壺の「方壺」のお話しです。
茶壺には色々な形があります。石瓢壺のように下に行くにつれ広がっているもの、倣古壺のようなオーソドックスなものや、南瓜壺のように果物や野菜を模したものなど。様々な形があるのが楽しい所ですが、ほとんどの茶壺が共通して上から見ると円形をしています。それに対して方壺はその名前の示すとおり、上からみて角張っている茶壺です。 角が取れていたり曲面を組み合わせているものも、基本的には上から見た形は「正X角形」をしています。このXは4,6,8などがあります。
李さんが作った四方壺です。横から見ると形状は石瓢をもとにしています。名前も四方石瓢壺、とその形の通りです。 方壺を作るのが難しいのは、蓋も、その蓋が収まる穴も正確な正多角形でなければならない点です。歪みがあったり、各辺が等しい長さでない(=長方形)場合にはフタが綺麗に収まらないのです。その辺をどの角度で入れても隙間なく、また入らないなどという事が無いように作るのは簡単ではありません。陶器は焼き物です。それなので作家さんが作った時のままの大きさには出来上がりません。その収縮率も計算に入れて焼き上げられ、そして隙間や歪みがなくフタが収まる方壺というのはこうして書くより遙かに難易度が高いのです。
こちらは奥さんの楊さん作の六方壺です。 ダイナミックなデザインで、しかも大きなサイズで作られる事が多い方壺は、どちらかというと男性の作家さんが作る事が多い茶壺です。女性ならではの柔らかい曲線を駆使した作品を得意としている楊さんがこんなに大きな、それも直線的な壺を作るのは珍しいです。
今茶荘の棚にある方壺はこの二つです。前には六角の漢方壺もありましたが、こちらはお客様がお求めになりました。
茶壺は百種類あったら百種類の趣きがあり、どれも見ていて飽きる事がありませんね。