こんにちは、小梅です。
午前中まで降り続いた冷たい雨も上がり、良いお天気になりました。 この二、三日の雨ですっかり気温も下がって空気がすっかり秋らしくなりましたね。
今日は岩茶『北斗』を飲んで一日のスタートです。北斗は、残念ながらお店に置いていないお茶です。あまり量が採れないのと、とても値段が高いお茶なので販売に至っていません。 武夷岩茶の中でもとても歴史が古く、由緒ただしいお茶です。
いつもお客様にお飲みいただくお茶の試飲に忙しくてなかなか飲む機会の無いお茶ですが、今朝選んだのには理由があります。
この北斗は雀舌のような華やかな香りはしません。肉桂ほどどっしりと味が濃いのでもありません。ただ、すっと飲めて、後からゆっくりと味と香りが戻ってきます。戻ってきた味はいつまでも残り、それでいてくどくないのです。一言で言うと優秀なお茶、という事になるでしょうか。
美味しいお茶はいつ飲んでももちろん美味しいのですけれども、やはり一番ぴったり似合う『飲み時』はあります。雀舌や金観音が夏が似合うお茶だとしたら、反対に夏より秋や冬に飲みたくなるお茶もあります。
ここのところ岩茶では雀舌・金観音、他に花茶や工芸茶といった、香りが華やかで味も爽やかな夏系のお茶の試飲が多かったので(お客様と一緒に飲むのでどうしても偏るのです)、そうでない、ゆっくりと味わえて余韻が続くお茶を淹れてみたのです。
今日お店に来られるお客様には丹桂をおすすめしています。北斗ととは対照的というか、かなり個性が異なるお茶ですがこれからの季節にはお勧めです。 少しミルキーでとろっとした喉越し、それでいて台湾高山茶のようなすっきりとした香り。判りやすい味なのに奥行きが深い、とても不思議なお茶です。 秋の長い夜にゆっくりと楽しむにはぴったりのお茶だと思います。
明日も4時過ぎまでお店をやっています。丹桂を始め、秋らしいお茶をご用意して皆様のご来店をお待ちしております。