こんにちは、小梅です。
日曜日に台湾から帰りました。二週間の滞在でしたが、本当に勉強になりました。得た物も多く、反面自分の力不足も今後の課題も見えた旅でした。劉さん夫妻は勿論ですが、他にも本当に多くの人にお世話になりました。恩返しする方法が他に無いので、一生懸命に美味しく淹れるように努力します。
この日は劉さん夫婦が茶摘みの下見をしています。 降雨確率が高く、日光晒青が危ぶまれた為に初日の茶摘みが延期になった翌日の光景です。 時間をかけて畑の隅から隅まで、葉の生育具合を確認してまわります。
畑はつながっていても、斜面の陽当たりによって生育の遅い早いが異なります。翌日からの茶摘みをどう進めていくか、延期になった全部計画を練り直すという忍耐を要求される一日です。 気の遠くなるような作業がどこか微笑ましく見えてしまうのはご夫婦ならではですね。
茶摘みは何日かに分けて行われます。また同日でも、午前と昼ごろに分けて作業を行ったりします。これは摘み手の問題ではありません。摘むだけなら人数を増やしたり短時間に集中して摘めば効率は上がりますので。ただ、いくら大勢の手で摘んでも、その後の「作る」工程で詰まってしまいます。なので作る能力や速度も計算しながら、最善のプランを作っていく必要があるのです。 もちろん葉は人間のそんな都合にはお構いなしに育つ歩みを変えません。早すぎても(速すぎても)遅すぎても駄目、という厄介な問題なのです。
これもチェックしていくとあちこちで見つかる厄介な問題です。 せっかく摘み頃になった茶葉が台無し。柔らかくて若い葉に限って被害に遭います。
「犯人はこの中にいます!」…名探偵コナン(日本語の勉強の教科書代わりに愛読していました)の台詞ではありませんが、色も大きさもよく似た犯人。私はどこにいるのか全然見つけられませんでしたが。大きな蝗です。葉の養分を吸ってしまうそうです。
こちらも。見た目が蝗ほどインパクトはありませんが、これもかなりの悪者だそうです。
それだけ低農薬で安全に生産されていますよ、という証しでもあるのでしょうが、丹誠込めた茶葉だけに劉さんの顔も曇ります。
この静かな茶畑の風景が翌日から始まる戦いの場となります。その模様はまた後日お伝え致します。
もうすぐお昼。お昼時のお客様に美味しい冬茶をお淹れする時間です。