こんつわ、番頭でござい。
よくお客様から「試飲して美味しかったから買ったけど、どうも自分で淹れるとあの美味しさが出ない」という、ご意見というか質問の声をいただきます。ご謙遜半分としても、この声は多いです。
そりゃあね、それ専用の道具をバシっと用意して、しかも淹れてる小梅さんは茶摘みからお手入れまで、どの葉がどんな特性かを把握してますんで、それと較べるのはいささか皆様にハンデがありすぎってモンでしょうね。
普段の試飲の時に小梅さんが使ってるのをほとんど見ないと思います。0.1g単位の秤です。ほどよい茶壺がたくさんある、という方でなくても、ちょっとだけ気をつければ美味しいお茶を淹れる事はじゅうぶん可能、そういうポイントがいくつかあります。 お茶を淹れる時に可変する要素は【お湯の温度】【茶葉の量】【淹れる時間】です。この三要素のかけ算次第で美味しくなったりそうでなかったりと結果が左右されます。
普段小梅さんが秤を使わないのは、試飲でお出しする手前どもの茶葉に関してはどの茶壺に見た目でどれぐらいの量…というデータを目や手が覚えているからです。始めての茶葉の時や、評茶の時には小梅さんも神経質なほどキッチリ重さを量ってます。いっぺんちゃんと量ってそれを目に記憶させると後が楽ですしね。
同じく普段は使わないタイマーです。数種類を一度に試飲する時にはこれが重宝してます。皆さんのご家庭にキッチンタイマーがあればそれがベストですが、要するに秒分がわかればそれで事足ります。 重さよりもこちらのほうが簡単に出来る「ちょっとした工夫」だと思いますんで、これは是非やって下さい。
茶荘のテーブル、淹れ手側から見た右前方の棚です。 茶荘で試飲された事のある方はあるいはお気づきかと思いますが、小梅さんがこの棚のほうに時々視線を飛ばします。
棚の上から二番目、プーアールの餅茶が置かれた段に秒針が見やすい時計が置いてあるからです。低い段のほうが見やすいんすが、それだとその手前にお座りのお客様を睨み付けてるようになってしまいますんで。この時計で小梅さんが計ってるのは1)抽出時間 2)沸いたお湯が適温近くに下がる時間 です。
ちなみに番頭がこちら方面に視線をバシバシ飛ばすようになったらそれはちべたいビールまでのカウントダウンです。
道具として番頭が結構大事だぞ、と考えてるのはこの茶こしす。これを使うと、お茶が澄んで見た目も綺麗だし喉越しも一層滑らかになります。でも、もう一つおっきな役割があります。細かい葉の破片、本当に細かいものでも、それは葉の一部なんで、お茶の中に浸かりぱなしになると、いわゆる「出流れ」が生じます。渋み苦み雑味、という出来れば入って欲しくない要素がこの細かい葉から出てきてしまうんですな。困ったモンです。で、その悩みを解決してくれるのが茶漉しです。目がかなり細かいのはそれだけ細かい葉の存在を目の仇にしているからだ、と思って下さい。
美味しいお茶。難しいですよね。番頭も小梅さんのように淹れるのはちょっと無理です。一煎のお茶を淹れるのに注ぐ愛情も違います。 でも、そこまで求めなくても、出来る事をきっちりやる事でベターなお茶はお出し出来る…はずです(腰引け気味)。
日々自分んとこのお茶を淹れ慣れてる小梅さんがあんだけ基本に忠実なんだから、やっぱ基本つうのは大事なんですよね。 ううむ、見せ場もオチもなんも無いままっすな、今日は。