「ミン」と発音する中国の漢字がある。
【門】構えの中に【虫】。常用漢字ではないのであまり馴染みが無いかもしれない。
中国においてはこの「ミン」は福建省の事を指す。
その「ミン」に奇蘭といういっぷう変わった茶があるという。
奇蘭。
日本語では「きらん」と読むのであろうか、中国語では「チーラン」という発音に近い。
半発酵茶、いわゆる烏龍茶の仲間に分類されるらしい。
名の通り、淹れると鼻腔をくすぐる蘭を思わせる香りが特徴である。
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うぃっす、司馬遼太郎かぶれの番頭です。
今日は奇蘭を淹れてみました。
人気のあるお茶です。岩茶の中では雀舌、小紅袍と並ぶ「判りやすいお茶」であります。
少しだけ強めの焙煎が香ばしさを、葉の持つ名前の通りの香りが華やかさを楽しませてくれる、今時分にぴったりなお茶といえましょう。
小梅茶荘に置いてある奇蘭は武夷山で育てられた岩茶です。この奇蘭、もともと武夷山固有種ではありません。黄観音・金観音同様、他所から持ち込まれ、武夷山で根付いた外来種です。冒頭で下手なパスティーシュの司馬さんが説明した「ミン」で言うと… ええと、ややこしいんでいっぺん変換してみますね。皆さんの画面に文字化けせず映ってるといいんですが。
閩
見えてますか?
で、武夷山があるあたりは閩北(みんほく)にあたります。
対して、奇蘭の生まれ故郷は南部の閩南(みんなん)です。お茶がらみでいうと鉄観音でお馴染み安渓がこの地域です。厦門があるあたり、とお考え下さい。
この奇蘭つう茶葉は、どうやら色んな試行錯誤と大変な苦労の末に出来上がったかなりハイブリッドなお茶らしいんですね。実際飲んで見ると納得ですが、無着香なのにこんだけ香りの良い茶葉が偶然出来る確率はそうとう低そうです。
南部には白芽奇蘭、雪芽奇蘭という名高くかつ香り高いお茶があります。日本国内でも時折ペットの烏龍茶の原材料に一部使われているお茶が南の奇蘭です。
夏場には水出しでちょっとしたブームになった(小梅茶荘の周囲数十メートルぐらいの範囲ですが)奇蘭、今年の奇蘭は本当に美味しいです。
寒くなったんで、ちょい焙煎強め、それでも軽やかでやさしい味わいの岩茶はいいですねえ。
司馬先生ファンの皆さんごめんなさい。