番頭です。相変わらず小梅さんは福袋の中身と格闘中、頭から湯気を出しております。
だもんで、小梅さんに変わり不肖番頭めが今年の小梅茶荘のお茶についてちょこっと書きます。
春の武夷山はお茶の生育が良く、茶摘みが予定より早まったほどでした。晒青も問題なし。ここまでは恐ろしいほど順調だったようで、電話で現場から状況報告してくる小梅さんの声も弾んでいました。
好事魔多し。引っかかったのはここから先です。その後に連日豪雨が続き、岩茶のキモである火入れが出来ない日々。湿気が大敵なので、これは仕方が無い事です。
幸い、時間がかかったものの、出来栄えに支障は出ず、今年の岩茶は一言で言えば「上々の出来」でした。
雨は武夷山にだけ降るわけではないんですが、プーアール茶の場合は産地が武夷山ほど限定されていないので「全部良い」事も無い代わりに「全滅」もしません。
とはいえ、岩茶より収穫が早いのでその後の大雨には引っかからずにすみ、良い茶摘みの年になったようです。
といってもプーアールの場合、今年の新茶=今春摘んだお茶、ではないのです。生茶の場合餅茶の紙包みに「2011」と書いてあってもそれは餅茶を作ったタイミングで、新しくても2010年もしくはそれ以前に採茶されたもの、という事です。なので今年のお茶摘みがどうだったかという答え合わせは来年以降にキャリーオーバーという事になりそうです。どうもこのあたりは曖昧な点が多いので、小梅さんの湯気が治まったらあらためて書こうと思います。
深刻だったのは凍頂の冬茶です。生育は良好だったものの、茶摘みのタイミングで雨が続きました。育ちが遅いのも困りものですが、日々育つ茶葉をなかなか摘まないというのも問題です。放って置いてもどんどん育っちまいますんで。
雨天決行で摘めばいいじゃんか、とも思われましょうが、どっこい摘むには摘んでも摘んだ後のこの作業で引っかかりです。摘みが詰みになってしまうんですね。最悪この屋外作業はすっ飛ばす事も可能ですが、それは出来上がりにかなり影響が出てしまうリスキーな妥協になります。
幸い危機一髪で天気が回復しましたが、ストレスの溜まる冬茶になりました。
岩茶、凍頂冬茶に共通しているのは、生育つまり茶葉の状態そのものは今年は上々でした。ただ、採茶や製茶の時に天候に脅かされたという事です。 地球温暖化の影響で、茶農さん達が積み上げてきた過去のデータや経験則が絶対的なものでなくなっている、というのも心配です。この心配は良きにつけ悪しきにつけ来年以降も続きそうです。
天気をコントロールする事も、茶葉の生育をコントロールする事も我々には出来ません。
出来る事はその中で出来るだけ美味しいお茶を探す事。神頼み以外ではそれだけでしょうねえ、小梅さん。。。小梅さん?
振り向いたら小梅さんがオーバーヒートしてました。お後がよろしいようで。