鬼の居ぬ間のバントーです。うふふ。
つっても、別段羽根の枚数が増える訳でも、両翼の幅が広がる訳でもないんで至っていつも通りな留守番二日目でございます。
早朝、小梅さんに電話したら、早くも朝粥を食べに行ってからホテルの部屋でお茶を飲んでいるとの事。こっちもちょっとだけ真面目にお茶を飲もうかしら、などと宿題のお茶その一を淹れてみました。
宿題その一はこちらのお茶。
「凍頂貴妃茶」ってヤツです。 ちょうど去年の今頃、年一回の凍頂詣でに行った小梅さんが持って帰ってきたお茶です。お店の棚にならんだ事はありません。何しろほんのお試し程度しか手に入らなかったんで。
回gyほう
半球形の茶葉で、かなり緑が濃く、茶色がかった茶葉です。
発酵がしっかりしていて焙煎も強めなお茶です。貴妃茶、というのは虫が噛んだ茶葉…というまあ東方美人の凍頂バージョンみたいなお茶だっつう事です。
味わいも東方美人っぽさや単叢っぽさがあります。マスカット香が強くてフルーティな、焙煎香がプラスに作用するお茶ですが、反面渋みが出がちなお茶でもあります。
何で昨年のお茶、それも少量しか持っていないお茶が宿題になっているかというと、このお茶が一年前と今ではかなり違うものになったから…らしいです。
なんで「らしい」って他人事みたく書いているかというと理由は単純。「昨年の味を全く覚えていないから」です。
番頭のお茶メモリの容量の問題もございますが、記憶にないという事は、大して美味しいと思わなかったからだと思います。個人の好みですが、もともと番頭は東方美人とか単叢のような香りがばああっと立つお茶があまり得意ではないのです。
小梅さん曰く「一年前も美味しいお茶だったけど、今飲んだら全然違います。もっと美味しくなっています」との事。根拠として、小梅さんは同じ貴妃茶の一昨年のかなりグレードの高いお茶と飲み比べてました。昨年、この貴妃茶の出来たての時点では、一昨年(当時は一年前)の貴妃茶と較べるときつい味つうか、角のある味だったそうです。
一年経ってあらためて飲んだところ、角が取れて丸みを帯びたこの貴妃茶は、一年先輩よりも濃い味わいと華やかな香りが楽しめるようになった、とか。。。すんません、くどいようですが、一年前の記憶が全く無いんで伝聞口調です。
この一見擬態のヘタなクツワ虫みたいな葉っぱのどこからこの香りが出てくるんだろう?というほどしっかりとしたマスカット香と、キリリとしていてでも刺々しくはない味わいは、この手のお茶が苦手な番頭にもじゅうぶん過ぎるほど楽しめるお茶でした。
なんでこのお茶を小梅さんが宿題一にしたのか、というのもちょっと判ったような気がします。
買えなかった事、買わなかった事が一年経って悔しいお茶、というのもあるのですよ、モナミ。
それにしても、一年前のお茶を忘れずに飲んでみるつうのはどういう精神構造なんすかね?あんだけありとあらゆる事を忘れるクセに。
番頭ふぜいにはわかんないですよね、小梅さん