晴れてるのに大粒の雨が降ってきたここ人形町より番頭がお送り致します。
小梅さんは本日が移動日。本当は昨日のうちに鹿谷に入る予定でしたが、スケジュールの都合で一日台北に延泊しました。
蛇足のおさらいです。「鹿谷」というのは「鹿谷郷」という、南投縣の中にある地名です。村の名前、と覚えてください。この鹿谷郷の凍頂山麓およびその周辺で凍頂烏龍茶は栽培されています。今日から土曜の朝まで、小梅さんはこの鹿谷の村に滞在します。例によってホームステイです。茶農の劉さん夫婦の製茶場の二階に泊めてもらいながらお茶を試飲したりあっちこっちお茶を飲みに遠征したりします。
今頃台湾新幹線で台中に移動してる頃だと思います。台中からは劉さんの車で約一時間のドライブです。
毎年、茶摘みの時期を劉さんに確認しながら台湾行きの日程を決めるんですが、何しろテキはお天気なのでお天気屋さんです。茶農さんも小梅さんの予定に合わせて茶摘みをするわけではなく、ベストな時期にお茶を摘まないといけないのでギリギリまで茶摘みの日は決まりません。
去年は茶摘みは間に合ったものの、出来上がった完成品のお茶の試飲はギリギリ間に合いませんでした。
今年は更に深刻です。どうやらこのままだと茶摘みの日は小梅さんが帰る日、あるいはその翌日からになりそうです。もしそのタイミングでも美味しいお茶が採れそうもなければ、今年の劉さんの冬茶は無い、という事態も考えられます。 劉さんはとにかく真面目な人なので、「まあこんなもんでしょうがないかあ」などと妥協するタイプではないのです。
こういったズレを計算して、小梅さんは台湾での日程に幅を持たせています。今回は遅くなった分、先に他の用事一式(主にお茶を飲んでます)を片付けてからの鹿谷入りです。
静かな、そして始まりも終わりも無い戦いの始まり。
今回はどんな美味しいお茶に出会ってくるんでしょうか。