明日(30日/土曜)は10時から6時まで、明後日(31日/日曜)は10時から4時まで営業いたします。
4月1日(月曜)はお休みいたします。ご不自由をおかけしますが何とぞご了承くださいませ。
夏も近づく♪ 季節も音程も外れっぱなし、ええ私が番頭です。
早いもので2013年も約1/4が経過しました。「年度末」ってヤツで、悪戦苦闘している方も多いのではないでしょうか、っていう根拠ゼロの上から目線。
新年度のスタートは官公庁に限った事ではなく、お茶の暦もそろそろ新しい一年のものに掛け替える時期にきました。
日本茶では「八十八夜」すなわち5月2日が一つの区切りなのですが、中国茶では「清明節」という区切りが存在します。区切り、というのはちょっと適切じゃないかもしれないです。まあ「基準の一つ」みたいにお考えくださいな。
「明前摘み」というお茶があります。この「明」は清明節の明ですんで、清明節の前に摘んだお茶、という事になります。
中国茶すべてに共通する普遍の価値ではありませんが、中国緑茶、特に「茗茶」の世界ではこの明前摘みは珍重されます。「初鰹」みたいなもんかもしれんすね。
お茶の葉っぱも歴とした植物ですんで、その「摘み頃」は桜の開花やモミジの紅葉と一緒で、南から北へ、低い所から高い所へ移動します。平たくいうと、南の方が早くから摘めて、高い山の上のほうが遅い、という事です。この緯度と高度の組み合わせでだいたいの茶摘みのタイミングは決まります。写真は雲南のプーアール茶の茶摘み風景。山地ですが、この場所は台湾南部よりもっと南、沖縄よりはるか南に位置しているので茶摘みはかなり早いです。
岩茶の武夷山は沖縄と近い緯度です。山奥に見えますが正岩茶区は標高で400メートル前後ぐらいなので同じく茶摘みは日本より早いです。
清明節は毎年4月の4日か5日、今年は中国では4日、日本は5日というイレギュラーな年のようです。
明前摘みが特に珍重されるのは緑茶、例えば龍井のような江南の茗茶です。当たり前ですが、もっと早くに育つ場所では「遅いよ」ですし、日本では「まだまだ」って事になります。なので普遍的に有り難い事ではない、という事は憶えておいてください。ま、中国茶の伝統的なアレは緑茶中心ですんで。
台湾、凍頂の劉さんからは「来週半ばぐらいから摘む」と連絡がありました。ちょうど清明節あたりですね。若いうちに葉を摘むと、若芽なぶん繊細で柔らかいお茶になります。反面味が少し物足りなかったりもします。また、小さい葉を摘むので、採れ高が上がらないという問題もあり、茶農さんにとっては歓迎できる事ばかりではないです。岩茶やプーアール茶のように、若々しさが絶対的な強みにならないお茶の場合は、やはりちゃんと育ててからしかるべき時期に摘む、というのがイロハのイなんですな。
場所や作るお茶によって茶摘みの時期にはかなり開きがある、というのは実は我々には有り難い事です。世界中いっせーのせで茶摘みが始まっちゃうと、こっちも小梅さんがあと2人ぐらいいないと手が回らなくなっちゃうんで。
ともあれ、2013年のお茶シーズン、スタートです。