番頭でござい。
中国・台湾各地で茶摘みが始まり、いよいよ今年のお茶がぼつぼつ出始めました。凍頂の劉さんのところも、心づもりよりちょっとだけ遅れたものの、今週から春茶の茶摘みが始まるようです。
雲南省のお茶も茶摘みは始まっています。お茶摘み、というのは当たり前ですが茶葉がちょうど良いあんばいに成長した時が「摘みどき」です。その茶葉の生育は気候・気温・高度・緯度…さまざまな要素によって千差万別です。また、茶葉がどのぐらい育った時に摘むか、というのは出来上がるお茶の特性によって大きく異なります。とても若い芽と葉だけを摘む場合は早く、しっかり成長させた葉を使用する場合は遅く。
プーアール茶の場合、雲南大葉種というやたらデカイ葉っぱを使う事が多いです。この大葉種はプーアールだけではなく、雲南産の紅茶や緑茶にも使われます。小梅茶荘の緑茶「雲南白毫」も紅茶「雲南金毫」もこの大葉種を使用しています。なので、産毛バリバリの若い葉であってもそれなりに大きいです。
茶畑・・・いや、笑う所ではないですよ、ここ。
こう見えてもこれは低いほうです。茶摘みといえば普通は腰が痛くなるものと相場が決まってますが、大葉種の場合は首が痛くなります。
製茶の方法も、プーアール茶の場合は緑茶や他産地の青茶などと較べるとかなりユニークです。もっとも、「生の葉っぱをお湯を入れたら美味しく飲める状態に変化させる」という点は同じですし、変化させる事により長期保存が出来る、という点は共通です。
石で出来た型を使って葉を緊圧する、というのがプーアールの固形茶の特徴の一つです。散茶、という緊圧しないプーアール茶もありますが、やはり頭に浮かぶのは例の「固めたお茶」です。
とにかく、雲南のお茶もお茶作りもユニークです。中国最南部という地理上の要素もありますし、南方系の少数民族の多い場所でもあるので、そのあたりも大きく影響しています。モンゴルのほうまで茶葉を運んでいた、という昔の流通の事情もお茶のユニークな発達の理由ですね。
ここ数年、記録的な干ばつや集中豪雨などであまり天候に恵まれなかった雲南ですが、今年はまずまずだそうで。もっとも、何から何まで規格外な雲南のお茶なので、それがどんぐらい良い事かは定かではありませんけど。
小梅さんは来週から雲南に入ります。