本日は午後5時すぎに店じまい致します。ご不自由をお掛け致しますがなにとぞご了承下さいませ。
お茶の旅。武夷山ステージの後半戦はもっぱらお茶の仕上げを確認しつつ、新たなお茶を探しての試飲の毎日です。「このお茶です」と小梅さんが選ぶ時、茶葉はまだ焙煎もしてなければ枝も取っていない「毛茶」という半製品状態です。なのでどの程度まで枝を取って葉を揃えるか、とか焙煎の強さはその後でいちいち指定しないといけないんですね。「工程管理」とか「品質管理」って書くと何だかお堅いイメージがありますが、基本的に物を作るというのはそういう堅実な作業の積み重ねなんすね。それにしてもこの炭焙煎の工程っていかにもバテそうでしょ?ホント、体力勝負なんですよ、徹夜が続きますし。
そんな感じで日々岩茶と向き合う小梅さんから新しいお茶が届きました。例によってイマイチ要領を得ない説明が口頭であったのですが、それによるとこのお茶はどうやら「白瑞香」らしいです。
白瑞香。小梅茶荘にとっては「初めまして」の岩茶です。番頭でも耳にした事がある名前なんで、たぶん伝統的な品種だか、あるいは人気のある茶葉なんだろうって事は想像がつきました。
かなり大きい茶葉で、焙煎があまり強くないせいもあるのか「ゴッソ〜」とした葉です。6グラムで試飲しようとしたら茶壺に葉っぱを入れるのにかなり難渋しました。
名前の印象から、多分白鶏冠とか老叢のようなほんわか系の味を予想しながら飲んでみました。
あれれ?ちょっと違うぞ。
柔らかい、という点と香りが立つという点では予想通りですが、細かい所で色々と予想を裏切ってくれました、良い意味で。
まず淹れた時に感じるのはちょっと豆っぽいほっくりした香り。ちょっと鈍臭いのかしら、コイツ?などと思わせる野暮ったい印象がありました。
飲んで見るとあら不思議。第一印象とは大きく事なり、華やかな香りが広がります。フルーティともフラワリーともちょっと違う、一言で形容しにくい香りです。もともとボキャブラリーがちょっとアレなせいもありますが、これは中々表現に苦戦しそうなお茶です。強いて言えば雀舌のような香水系の香り。もっと言えば東南アジアあたりのエキゾチックな香り。。。白檀とか伽羅とか、そういうのに不案内ではあるんですが強いて言えばそういう香りです。たぶんタイとかベトナムとかを旅行して、現地のちょっとおハイソなエステでも行ったらこんな感じかな、というような。すんません、これじゃ余計判らんですね。
甘みは黒糖のようなこってりしたものではなく、ちょっとキリリとしたイメージ。プラス香辛料の隠し味みたいなかすかにスパイシー。。。いかん、書けば書くほど説得力が低下していくのが自分でも判るぞ。
雀舌の時には困った挙げ句に「飲む香水」ってな、置きに行ったネーミングを付けてしまいましたが、この白瑞香はどうしましょうかねえ。もうちょい飲んでみてから考えるとしましょ。
小梅さんは今日もお茶を飲んだり製茶の確認作業など。合間を縫って頼りになる友人の新社屋の片付けも手伝ったりまたそこでお茶を飲んだり、お茶を飲んだりお茶を飲んだり。