明日(24日/土曜)は10時から6時まで、明後日(25日/日曜)は10時から4時まで営業いたします。
お暑うござい、番頭でっす。
この暑さのせいだけではないのでしょうが、小梅さんが風邪気味です。昨日午後から半日休養して何とか水際で食い止めたようです。が、油断は大敵。夏の疲れの出やすい時期、皆さまもどうぞご自愛を。
で、そんな状態で果たして味が判るのかは疑問ですが、小梅さんは今日も評茶を繰り返しています。よくもまあ飽きないもんです。
小梅茶荘の試飲のシーンにやたら登場する磁器製のサーバー。もう名前を覚えてしまった、という方も多いと思います。「鑑定杯」っていいます。正確にはフタの付いたサーバーとお茶を注ぐお椀のセットで鑑定杯組、という事になっています。
武夷山の茶農さんとかだと使い慣れた蓋碗でちゃちゃっと淹れる場合も多いのですが、原理は同じです。
台湾の茶農さんはよりこっちのセットを使う頻度が多いように思われます。スプーンが一つずつついているのは
評茶をする人がめいめい自分の茶杯にお茶を注ぐ為と、スプーンの裏側についたお茶の香りをきく為です。当然、混ぜちゃうと重罪ですんでスプーンは必ずもとの位置に戻さんといかんですね。
同じ形状、同じ使い方のものは色々と出ていますが、鑑定杯は基本的に磁器です。陶器だと本体にお茶の味や香りが残ってしまうので、評茶をするのには不向きです。また、茶葉の色やお茶の色を見る、という点で白いというのはけっこう重要なポイントです。なのでこの陶器のサーバーは厳密には「鑑定杯」とは呼びません。カッコはすごいいいんすけどね。
ちゃんとした鑑定杯、というのは材質、形状、容量に統一基準があります。カッコよく書けば「グローバルスタンダード」です。「中国茶葉学会」とかいう文字が入っているものは、お茶関連のそういった権威的機関が自ら出している「お墨付き」のものですが、そうでなくとも多くの場合、白磁の鑑定杯セットはおおむね同じ大きさ、同じ形状です。
種類も作り方も千差万別なお茶、というものを出来るだけ客観的に評価するために、使う道具は統一したほうがもちろんベターです。が、あまり横のつながりとかが強くなさそうなお茶の世界で、こういう事はちゃんと自然発生的にでも出来ているというのは何だか嬉しいですね。
この鑑定杯、普段使う茶器としても中々のスグレ者です。セットになっているお椀と容量がマッチしているんで、溢れる事も足りない事もなくちょうどいい感じにお茶が注げます。また画像のようにフタをお椀に引っかけるようにしておけば、手を離してもお茶が注げます。いっぺんに、しかも短時間に何個も…てな時にはこれは大助かりです。そういう機会はそうそう無いとは思いますが。
風情はね、ございませんよ確かに。ええ。実験道具みたいなもんですから。