年に一度のコンテスト。
舞台は武夷山、いわずと知れた岩茶の故郷です。
コンテストの正式名称は「天心岩茶村民間闘茶賽」というみたいです。「闘」は簡体字で「斗」ですね。
ちょいとバックグラウンドを補足します。「天心岩茶村」つうのは「天心村」という地域に由来します。正岩茶、いわゆる「由緒正しい岩茶」が採れる地域のかなりの部分をカバーしている地域、それが天心村です。他にも桂林村とかがありますが、正岩茶の産地、というとやはり天心村が第一に挙げられるんですね。
もともとは世界遺産の「風景区」のど真ん中にあった天心村は、世界遺産に登録された際に山の麓に村ごと下りてきました。桂林村も同様です。「強制移住」とか書いちゃうとちょっと物騒な響きはありますが、まあそれに近いとお考え下さい。
ともあれ、年に一度のこのコンテストは、主立った岩茶の生産者(=茶農さん)が集中している天心村で、みんなが育て、作ったお茶の善し悪しをああだこうだ言う集い、みたいなものです。
昔ながらの作り方を変えず、言い方によっちゃあ非生産的なお茶づくりにとどまる茶農さんも、積極的にテクノロジー…っつってもガスとか電気レベルの事ですが…を取り入れて近代的な製茶システムを構築する茶農さんも、みんながヨーイドンで競う、年に一度のガチバトル。まあそんな感じの結構マジな、でもどこかのどかに見える競技会、それがこのイベントです。
例によって詳しい事を知らんので小梅さん経由であれこれ詳しい人やら当事者に聞き取りしてもらいました。思っていたよりずっと大規模でかつ権威あるイベントらしく、国内外の茶人とか政府関係の人等々で2500人以上の人が闘茶(試飲)に参加して、四日間かけて結果を出すとの事。うわあ、試飲四日かあ。。。
天心村、桂林村の茶生産者さんがそれぞれご自慢のお茶を出品します。データによると昨年の競技会では228戸から493のお茶のエントリーがあったとか。今年は669ものお茶になったそうで、年々規模は大きくなっているみたいです。もともとは「村一番のお茶をみんなで決めんべえ」的なもんだったみたいなんすけど。
エントリーは有料、4部門に複数出品できます。
4部門ってえのは 1)大紅袍 2)肉桂 3)水仙 4)品種(その他)です。あらためて大紅袍肉桂水仙の位置づけが高いのがわかったりして面白いです。
それぞれを闘茶(試飲)した結果、各部門の特等(状元)が各一席、さらに4部門からあわせて金奬が22席、銀奨36席、優等54席が選ばれます。結構狭い門ともいえますし、あれ以外と期待値高そうじゃん、とも言える数字ですね。まあでも、いずれ劣らぬ茶農さんたちが「これぞ」と選りすぐったお茶の中でのこの賞はかなり誇って良いものではないかと思います。
…てなニュースを定時連絡の時に教えてくれた祝先生も天心村の中の茶農さんです。もっと細かく言うと馬頭巌という場所に主たる畑を持つ、世界遺産のバリバリど真ん中でお茶を作ってます。
特派員じゃないんで、祝先生の話にはまだちょっと続きがあります。
以下次号