「しけんちゃ」と読みます。
一昨年ぐらいからちょこちょこと話題になっていたお茶です。名は体を表す、で紫っぽい葉っぱがトレードマークのお茶です。
分類上はプーアールの生茶の仲間です。製茶の方法も生散茶のそれとほぼ同じです。
製茶後の茶葉もこんな感じに、かなり赤みと黒みが目立ちます。形状は生散茶そのものですね。
もともとは偶然発見された変異種だとの事。それを繁殖させたものが今欧米でも人気のこの「紫娟茶」になってるんですね。
ま、お勉強は後回しにしてとりあえず飲んでみましょう。去年も小梅さんがサンプルを何種類か持ち帰っていましたが…何かあまり記憶に残っていないんすよ、この紫娟茶は。試飲しないといけないお茶が大渋滞を起こしていた時に飲んだせいもあるのかもしませんが。
せっかくなので比較用にプーアールの生散茶も淹れてみます。この生散茶は2012年の昔帰です。
一目瞭然。左が紫娟茶です。バイオレット、というか薄い小豆色というか。想像していたより赤みは強いですね。発酵や焙煎由来ではなく、本来の茶葉由来でここまで色が出るというのは中々見られるもんではありません。
味は…ううむ。生散茶とくらべるとやや苦みがありますね。でもイヤな苦さではないです。シャープで少しハーブっぽい味わい。番頭のシンプルな味覚はこれを「三つ葉っぽい」と認識しました。ちゃんとした和食店(ほとんど行った事ないけど)の、ちゃんと出汁をとった上品なお吸い物(ほとんど食べた事ないけど)の中にちょこっと入っている三つ葉の風味、ってこんな感じすかね。小梅さんはけっこうな種類の紫娟茶を飲み比べて選んできたのですが、ものすごくそれぞれに個性が強い、というお茶ではないようです。言い換えれば、味や香りのバリエーションという点では普通の生茶のほうが豊富なのではないでしょうか。
じゃあなんで紫娟茶が注目され、かつ人気があるのかというと、理由の一つが「効能」
紫色の正体=アントシアニンが持つ「抗酸化作用」にあります。アンチエイジング、という、番頭のようにその分野をすでに諦めてしまったオッサンでもちょっと興味があります。ましてや健康に気遣う方には人気でございましょう。
フラボノイドの一種で、ブルーベリーやアサイーなんかに豊富に含まれているのがこのアントシアニン。つっても行ってみれば「色素」なわけでして、自然界に普通に存在しているものなんですが。欧米ではその抗酸化作用が重宝され、中国ではこの紫娟茶の血圧降下作用が注目されています。
といっても、結局は美味しいから飲むわけでして、また飲むにじゅうぶん足る美味しいお茶だから小梅さんが仕入れてきたわけでもあります。特に夏場にはさっぱりと飲みやすく、また生茶同様身体のほてりを抑えてくれるお茶だと思われるのでぴったりではないかな、と。
茶荘にてお試しいただけます。お気軽にお申し付け下さいませ。