番頭でっす。
8月の(←長めの伏線です)試飲会は前半の二日が終わりました。生憎の荒天の中、お付き合いいただいたお客さまには心よりお礼申し上げます。
味の感じかた、というのは100%主観だと思っています。それゆえ、同じお茶を同じタイミング同じ条件で飲んだ皆さんの感想や印象というのはとても参考になります。主観を束ねて客観に近づけていく、とでもいいましょうか。お客さまにとってはより多くのお茶をお試しいただける機会でもありますが、私どもにとってもとても良い勉強の機会です。これは試飲会という特別な日に限った事ではなく、日々の試飲でもいつも感じている事です。有り難い事です、本当に。
今週は真ん中あたりからお盆休みなんすね。近所でも13日から17日を軸にお休みされているお店さんが多いみたいです。この時期に出勤されているお勤めの皆さんはコンビニの有り難みを再確認される事と思います。番頭もそうなんですが。
茶壺の入荷のお知らせです。
雅韵(がいん)壺、とお店では呼んでいます、作者の楊さんは証明書に「古鐘」と書いていました。同じフォルムで「ぶどうとリス」を作ってもらっている周jr. さんはシンプルに「泥絵」、と。ま、ここは雅韵で通させて下さい。
もともとテンプレートのような伝統的な形状ではなく、小梅さんが試飲に使っている茶壺を宜興に持っていき、実物をもとにそれぞれ(複数の)作家さんに「私ならこんな感じ」という具合に少しこだわりを入れて作ってもらったものです。オリジナルは朱泥の小ぶりな茶壺で、小梅さんが茶荘を始める以前から使い続けているものです。
オーソドックスな形状でかつ底の方が緩やかに絞り込まれているので量もたっぷり入ります。何より何時でも心穏やかにお茶が淹れられる安定感が持ち味であり、人気の理由でもあります。
この雅韵壺、同じく楊さんの梨地の朱泥のものと、周jr.さんが烏泥と朱泥で作っていますが、今回入荷したのは緑色のこちら。
「豆清砂」という、特別な緑泥です。練り物っぽい調砂した緑泥とちがい、最初から滑らかさや鮮やかさがある土ではありません。その分使っていくうちに深みと立体感がどんどん増していく「育つ」土です。
稀少で、それゆえ貴重な土です。楊さんもこの土はコンペティション出品用とか、大作モノに使う「とっておき」なので基本的にはこの土を使った新規のオーダーは受けてくれません。例によって小梅さんが拝み倒して(現場を見たわけではないんで多分、です)ちょこっと作ってもらったか、あるいは残してあった最後のものなのかは定かではありませんが、各一点を確保してきました。
それぞれ画像のように花鳥風月が繊細なタッチで描かれています。くどくなく主張しすぎないので「絵柄とか文字があるのはちょっと…」という方でも抵抗感なくお使いいただけるか、と。
茶荘の棚に置いてございますのでお気軽にお手に取ってご覧下さいませ。
各一点物ですので売り切れの際は平にご容赦下さい。