加倍奉還!!
番頭ですのじゃ。
「倍返しだ!!」と中国語で凄む周回遅れなトリ。
正体はこれ。茶壺のてっぺんにちょこんと乗っかった「鳳凰」、でございます。
一見、いや二見しようが眉間に皺を寄せてガン見しようが、これはリスっぽいんですけど、歴とした鳳凰です。
この鳳凰≠リスの顛末については
2012年12月に書いたものをご覧下さい。ついでにこんな感じの茶壺ですよ、というのもそこに書いてございますんでご一読を。
鳳凰、そして口と把にそれぞれ施された装飾に目が行きがちですが、非常にオーソドックスで使い勝手の良い茶壺です。球に近いボディですので、投影面積(上からの見た目)より容積は大きく、たっぷり350ml入ります。(葉を入れた実際のお茶淹れの時には300ml弱ぐらいですね)
実際に持ってみると鳳凰のケツ…どうやら孔雀のような羽根らしいです、に指がうまいこと当たるので、手の大きくない方でも取り回しは楽だと思います。フタを180°(つまり半回転)させると逆に鳳凰の嘴に指がかかるのですが、クチバシよりケツのほうが押さえやすかったです。なので鳳凰が前向きのほうがベターです。鳳凰が後ろ向きというのも何かネガティブなんでそっちのほうがおあつらえ向きです。
朱泥です。少し色が沈んでいてなおかつ艶があるのは、楊さんが少し養壺したからです。こういう細かい意匠の茶壺は初期養壺がしてあると育てやすいです。
結構な大作で、細部のデザインも手間がかかるのでそうそう作るものではないのですが、楊さんの自信作の一つらしく、作品集(すごい立派なカタログって感じの本です)でも1ページの写真がどーんと載ってます。作品名は「鳳舞」、今まさに大きな翼を広げようとしている鳳凰。何か大層な名前なのに本人は至ってベビーフェースのポーカーフェースです。
1年以上の不在を経て茶荘の棚に華麗に復活。これまた一点物ですのでご覧になりたい方はお早めにどぞ。