台風一過。
風も空気もぐっと秋らしくなりました。ますますお茶が美味しい季節、うふふ。
涼しくなると途端に飲みたくなるのが焙煎強めのお茶です。火入れの強いお茶=香ばしいお茶、ですね。
タイトルの「足火」というのは「強焙煎」という意味です。
今朝はかなり強めの焙煎をしたお茶が二種。
左は濃厚大紅袍、右は強焙煎の凍頂烏龍茶です。
大紅袍の足火。茶荘の棚にも並んでいる2009年のお茶です。炭でじっくりと時間をかけて焙煎する為、こんぐらい強い焙煎だと出来上がりまでに二ヶ月近くかかります。「焙じる」プラス「燻す」というイメージでしょうか。なので出来たてはかなりスモーキーです。身も蓋もない書き方をしちゃうと「ちょっと飲みづらい」ですね、その時点では。
5年経って余計な炭っぽさが大分削られて、焙煎本来の甘みがその分クリアに感じられるようになりました。
今まさに飲み頃、という感じです。多少のお手入れは必要になるかもしれませんが、ここから10年、15年とどう変化していくのかも楽しみです。
いっぽうこちらは凍頂烏龍茶。同じく2009年の冬茶です。小梅さんが2009年11月にお邪魔した際、劉さんが作ったものを持たせてくれました。伝統型の凍頂と較べると、すこしだけ発酵が今風っぽいですが、それでも焙煎発酵ともにかなりしっかりした作りです。
焙煎の時間や温度が違うので岩茶とは風味が違いますが、こちらも5年の歳月を経て味わいに丸みが加わっています。円熟の味、っていうんでしたっけ。
最初の2煎ぐらいでは上品なカラメルっぽい甘みが感じられます。何かに似てるな、とオツムの中のスカスカの引き出しをごそごそ探して見つけたのが「プリンのてっぺんのほう」です。まあ要するにカラメルなんですが、こってりはしていないかな、という感じで。 3煎目あたりからはカラメルっぽさの代わりにすっきりとした「甘みが戻る渋み」が少しずつ顔を出します。
茶壺で6煎ずついただいた所でお腹がチャプチャプになったのでいったん休憩。まだまだ煎を重ねられそうです。このあたりの煎保ちの良さやゆっくりと変化を楽しめるのも「足火」のお茶の持ち味です。
重焙煎の凍頂は販売はしておりませんが、ちょびっと試飲用がございますんでお気軽にお申し付け下さいまし。
セルフ焙煎にゃう