くさめ。
番頭です。ちょっと風邪気味なんで帳場で大人しく書類整理なぞしとります。
番頭のお気に入りの茶壺の一つ、思源壺をお買い上げいただきました。もともと一つしかない茶壺だったんで小梅さんから楊さんに「手持ち無い?」の問い合わせをしてもらいました。
楊さんに限らず、茶壺に限らず、ありとあらゆる物の交渉事には一番不向きな時期ではあります。春節、つう旧正月の持つ意味とパワーは日本の正月よりかなり大きいみたいです。アメリカにおけるクリスマスよりデカいかもしれません。 なのでありとあらゆる物が高くなり、品薄になります。典型的な売り手市場っすな。
といっても頼む事は頼まないといけないですし、幸い楊さんは嫌な顔一つせずこちらの依頼に時間を割いてくれます。…ま、顔が見えるわけではないんで定かではありませんけど。
ついでに、て感じで茶壺の画像を送ってきてくれました。
最初の一枚はこちら。 「春竹」という竹をモチーフにした茶壺です。茶荘でお馴染みの春竹は豆清砂の渋い緑色ですが、こちらはどうやら鮮やかな黄金段泥のようです。確かに、竹は緑色の時ばかりではないっすけど、黄金の竹って何か姫さまが中にいそうでちょっと怖いっすね。大きさはたぶん豆清砂のものと同じぐらい、お値段は怖いから聞けませんでした。
こちらは大彬如意、と呼ばれる茶壺。大彬如意は底に三本足の「鼎」がついているのがセオリーですが、この茶壺にはついていません。多分色合いや大きさ等のバランスを考慮しての事と思われます。如意紋様はセオリー通り胴体ではなく蓋に施されています。豆清砂よりも深みのある緑泥を使っています。楊さんのこの土のものは見た事が無いのでこれはちょっと欲しいですね。
井欄壺、の一種のように見えます。小梅さんは画像から以前茶荘にもあった梨地のものだと判断してましたが、これはちょっとダウトっすね。
小梅さんがあれこれ問い合わせだのおねだりをした分、楊さんからは湿布を頼まれました。整形外科で処方してもらえるインドメタシンとかフェルビナクとかのアレです。中国の湿布は肌荒れするんですって。作陶は肩首腰にかなり負担のかかる作業なので、作陶家さんはほぼ例外なく一箇所以上いわしてます。以前にマッサージチェアの問い合わせがあった時にはさすがに送料で断念したみたいですが、磁器とかトルマリンとかのネックレスなんかは相変わらず人気です。
三つのうちどれが茶荘に並ぶのか、値段はともかく楽しみではあります。