雪だよぉ。。。開店休業小梅茶荘から番頭がお送りいたします。
大雨も台風もお客様の足には影響がございますが、雪の日のヒマっぷりはそれらをも凌ぎます。何でですかね。
そんなこんなで時間が出来たんで小梅さんはお出かけ。今日は東京ドームに行ってます。
手持ち無沙汰な番頭はのらりくらりと茶器を並べて台湾茶の試飲をしました。
本日は2種類。左が佛手、右が貴妃茶です。どっちも半球状に丸めてあるんで、この画像の量だとちょっと葉っぱが多すぎですね。ちゃんと量って始めるとしましょう。
佛手は大きな葉っぱが特徴。開く前の丸まった状態からでもその大きさが容易に予想できます。一芯二葉の製茶が基本の半球状茶の中では異色ですが、佛手は一枚の葉で一粒作れてしまいます。発酵はやや強め、少しだけ焙煎がかかっています。
貴妃茶はざっくりと言うと「凍頂版東方美人」みたいな感じのお茶です。ウンカが噛んだ葉を高発酵中焙煎ぐらいで作るお茶です。葉の表面にシワが多く、発酵が強い為葉のぐるりにかなり赤味が見られます。
どちらのお茶も、台湾茶の中では異端とでもいいますか、味や香りにかなり特徴があります。黄色っぽい薄いオレンジが佛手、赤みが強いほうが貴妃茶です。
貴妃茶はわかりやすくフルーティです。マスカットに例えられる事が多いのですが、もうちょっと赤黒い果物、巨峰とかダークチェリーとかカシスとかのイメージを持つ香りのように感じます。つっても、番頭はそのあたりの果物を殆ど食べないんで自信はございませんが。ともあれ、特徴は?と聞かれたら「フルーティ」だ、と憶えておいていただければ。 冷めると特徴が薄れる系のお茶なので、アツアツで香りごとすすりこんだほうが楽しめますかね。
対して佛手。こちらもかなり不思議なお茶です。一煎目にお湯を注いだ直後から、かなりこってりとした乳香があたりに漂います。ミルキー、というよりバタリーと言った方がぴったりくる濃香です。で、飲んで見るとこれが不思議な事にすっきりとして爽やかです。こんだけ味と香りにギャップがあるお茶はそうそうありません。ええと、かなり不適切な例えしか思い浮かばなかったんで、このギャップについては「とにかく飲んでみて」という事にしときます。佛手は冷めるとバター感(そんな言葉ないけど)が強くなります。最後の一煎は少し置いて敢えて冷ますのもお薦めです。
どちらのお茶も岩茶やプーアール茶と較べると、そこまで煎が伸びませんが6〜7煎ぐらいは楽しめます。特に佛手は葉っぱの開きっぷりがハンパではないので茶壺で淹れると最後のほうはお湯を入れるスペースに困るほど過密化しますんでご注意を。
佛手の葉底。岩茶の佛手ほどグロい大きさには戻りませんが、やっぱり一枚一枚がデカいです。この風貌からあの繊細で複雑な味と香りが出るのが不思議です。
どこか線の細い貴妃茶。可憐というよりナイーブな外見の葉底です。
どっちも美味しかったです。幸いゆっくり飲み比べ出来ましたし。。。ヒマって意味ですが。