グーテンモルゲン!イッヒビン番頭。
近所の緑道の桜も陽当たりの良いところからぽつぽつと開き始めました。
お散歩日和、大安、戌の日。 三題噺じゃありませんが、これでヒマだったらどうしよう…てなぐらいの良い朝です。
春分の初候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」。まだまだ朝は肌寒いぐらいですが、日に日に陽射しが柔らかくなるこの季節、何となく朝のお茶もそれなりに春っぽいものになります。根が単純に出来ておりますもんで。
朝の自分茶用の茶器も春っぽいのを引っ張り出してみました。
今朝は凍頂の春茶です。。。ベタ中のベタなチョイスではありますが、この時期になると無性に飲みたくなるお茶です。開店から6年。岩茶や紅茶も色んな新しいお茶が増えたり、味わいに変化が出たりしている中で、鹿谷の劉さんが作る凍頂烏龍茶は6年前の開店した時と同じです。進歩がない、んではなく「出来上がった」味とでも言いましょうか。
やや長めの時間でしっかりと出しました。湯気とともに茶杯から上がってくる香りは、普段試飲で飲み慣れている筈なのに不思議と懐かしく、一気に6年前の開店当時まで時を巻き戻るかのようです。
春茶らしい青さとしっかりとした渋み。 梨山や杉林渓などの高山茶のような清冽さとは違い、伝統型凍頂烏龍茶のようなどっしりとした深みでもない味わい。しばらくして喉の奥のほうから口中に戻ってくる甘みの余韻も楽しみながら、しみじみと美味しいお茶です。
変わらない美味しさ、というのはびっくりもワクワクも無い代わりにほっとしたり、ぼーっとしたり出来る美味しさです。
のんびり独りで煎を重ねながら、色んな事を思い出したり、あんな事もしなきゃとかこんな事もしてみたいな、などゆっくりとスイッチが入っていく時間を過ごしました。
スイッチってもうちょっと「パチッ」って入るもんなんでしょうけどね、普通は。
飲んだ春茶はそういえば一年前に評茶して決めたお茶でした。そんな事を思いだしたりするのも変わらなく美味しいお茶のお陰です。
そっか。