鉄球壺。「てっきゅうこ」って読みます。蓋の部分が大きく膨らんでいて、全体的に丸々としたフォルムが特徴です。
現在茶荘には3種類の土でラインアップされています。
色々な意匠の派生型もありますが、基本形はこんな感じです。茶壺全体が一つの大きな円に収まるようにデザインされていて、かつボディ部分の一回り小さい円弧と、さらに蓋のもう一回り小さい円弧、都合3つの円で形成されています。
黒い鉄球は烏泥。 色のせいかひときわ固そうに見えます。茶荘の棚でも特に目立つ「デカイヤツ」ですが、お茶が入らない蓋の部分の大きさをさっ引くと、容量は330mlと、見た目ほどではありません。
こちらは紫泥。烏泥に較べると柔らかいイメージで、フォルムもどこか優しげに見えます。こちらも330ml。
朱泥はかなり小さめ。烏泥と紫泥が「大鉄球」と呼ばれるのに対してこちらは小鉄球と呼ばれます。
見た目の印象どおり大きさは大鉄球の約半分、170mlです。
双子のような烏泥と紫泥、そのまま縮小したような朱泥。土と大きさはそれぞれですが、どれも極めてオーソドックスな鉄球壺という点では大きな違いは無いように思われますが…
どっこい作者がばらんばらん♪ 謎の節を付けてしまいましたが、この三つの鉄球壺は出所が全部違います。烏泥は周さん(父)、紫泥は周さん(Jr.)の作なので親子競作、つう事になります。いっちゃん小さい朱泥は楊さん。当然ですが、楊さんは周さん親子と意識的に競作している訳ではありません。鉄球壺がそれだけ基本形の一つであるという事と、それぞれがこの鉄球壺に関しては決まり事を押さえた上で極めてオーソドクスに作った、という事になります。
子冶石瓢や西施など、ポピュラーかつ伝統的な形状の茶壺は、どの作陶家さんも必ず作ります。自分なりに一捻り入れたものもあれば、伝統的形状の「お約束」にどこまでも忠実に作る場合もあります。周さん(父)が後者、楊さんが前者です。といっても周さん(父)も意匠を凝らした茶壺も作りますし、楊さんもベタにお約束通りな茶壺を忠実に作りもします。
復古(倣古)壺も同じです。胴体のカーブの具合や把の根本のデザインなどで細かく個性は出ますが、基本的にいじる箇所の少ない形状です。
こちらも作陶家さんはそれぞれ違います。同じ周さん(父)、周さん(Jr)、楊さんの三人。黄金段泥が(父)、紫泥が(Jr.)、朱泥が楊さんです。
同じ作陶家さんが同じ種類の茶壺を違う土で「セルフカバー」しているので結構あったりします。こんな所も気をつけて見てるとまた茶壺も違った見方が出来たりして楽しいですぜ。